活動拠点を設置しない場合のリスク・留意点⑵

こんにちは。東京コンサルティンググループトルコ支社の吉田瞬です。

 

今回も、前回に引き続きトルコに活動拠点を設置することなくビジネスを行う場合に想定されるリスクや留意事項についてお伝え出来ればと思います。今週は、日本の親会社等の外国法人がトルコ国内において営利活動を行うケースを例に挙げ、リスクや留意点を説明させていただきます。

 

ケース②: 日本の親会社等の外国法人がトルコで営利活動を行う場合

下記の図を例に、日本にある親会社や第三国にある海外子会社等の外国法人がトルコで営利活動を行う場合のリスクや留意点について説明していきます。

 

外国法人がトルコ国内で営利活動を行う場合、考慮すべき点の1つがPEリスクであるかと思います。前回のブログでも記載した通り、例えトルコに拠点がなくとも、出張者が長期間に渡ってトルコに滞在し、事業に関連した活動を行う場合には常にPEリスクが存在します。PEリスクに関しては、外国法人がトルコ国内の営利活動に介入する場合についても注意が必要です。例として、外国法人がトルコ企業Aから商品を調達し、別のトルコ企業Bに販売するというスキームを考えてみます。商品の調達に際し、外国法人が一定期間以上に渡りトルコ国内で倉庫を賃借する場合等には、同国に PE が存在するものと判断される可能性があります。

加えて、VAT(付加価値税)の観点においても留意事項があります。トルコに事業拠点がある場合には、当該事業拠点自らがVAT 登録を行うことが出来る為、トルコ企業Aからの商品調達時に発生する仮払VAT、トルコ企業Bに対して商品販売を行う際に発生する仮受VATの間で相殺を行うことが可能であり、毎月その差額を申告・納付する流れになります。一方、外国法人はトルコ国内でVAT登録を行うことが認められていない為、商品の販売先であるトルコ企業Bが外国法人に代わって仮受VATの計算を行う必要があります。又、外国法人の場合、前述の仮受VATはトルコ企業Aからの商品調達時に支払う仮払VATとの相殺が認められていない為、結果としてVAT負担額が大幅に増加する可能性があります。

 

トルコに活動拠点を設置することなくビジネスを行う場合、特定のケースについては、特に税務上のリスクが発生する可能性が考えられる他、外国法人の関与によってたとえ同じ商流でも負担が増加してしまう場合も考えられますので、事業を展開される前の段階で、リスクや留意事項の洗い出しを行っていただくのが良いかと存じます。

 

今週は以上となります。

弊社ではトルコへの進出、トルコビジネスに関連した各種アドバイザリー等々についての無料相談も行っておりますので、上記内容以外にもご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせいただければと存じます。

 

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東京コンサルティングファーム・トルコ拠点
吉田瞬

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