
こんにちは。
TCF(Thailand)の高橋です。
今回からはタイの税務第に関して第5回目です。
第5回はタイの法人所得税(損金)に関して引き続きみていきましょう。
・外貨建取引
会計、税務上ともに原則として取引日レートにより換算を行い、その他外貨建債権・債務のうち、貨幣性資産は決算日レートで換算し、非貨幣性資産については取得日レートとなります。為替換算差損益については、当期の損益として処理されます。
・各種引当金の計上
引当金については、原則として損金算入は認められません(内国歳入法65条/3)。ただし、貸倒引当金のうち、一定の要件を満たす部分の金額については、損金算入が認められます。
・棚卸資産の評価損
棚卸資産の評価益は益金算入が認められず、評価損についても、税法上棚卸資産の評価額は、「取得価額か市場価額のいずれか低い価額による」とされています(内国歳入法65条/2)。しかし、客観的に市場価額が判断できるケースは少ないため、損金算入が認められるケースは少ないと言えます。
・付加価値税
付加価値税(VAT)は通常、支払・受取を相殺する形になり、損益取引にはなりませんが、控除が出来ないVATについては、損益計算上、益金または損金算入することになります。
・株主、パートナーに対する給与
課税所得の計算上、株主やパートナーシップのパートナーに対して支払う給与のうち、一般的に妥当と認められる金額を超える部分の金額については、損金算入が認められません。また、事業年度終了後の利益を基礎として支出されるもの(賞与)についても、同様に認められません。
・寄付金
寄付金については、公共の慈善団体や教育機関に対する寄付であれば損金算入が認められます。損金算入額は、課税所得に対して2%を上限としています。
・貸倒損失
会計上、計上された貸倒損失のうち、回収不能の事実が確認できるものについては、当該課税年度において損金算入することが認められています。
なお、当該債務者に対する債権の残額により、損金算入の要件が異なります。
・繰越欠損金
欠損金は、税務上5事業年度にわたって繰越すことが可能であり、各事業年度の課税所得との相殺が認められます。
・支払利息
タイでは利息に関する規定がありません。ただし、主に以下の所得については利息とみなされ、損金の額に算入することができます。
a.債権、預金、債券、手形、融資(担保の有無を問わない)に掛かる利息
b.法人によって割引発行された手形や証券の償還価値と発行価値の差
c.タイ事業のための資金調達に掛かる利息(繰延可能)
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