配当比率変更および減資にかかる留意点

東京コンサルティングファーム タイ事務所の長澤です。
今週は配当比率の変更及び減資にかかる留意点についてです。

Q.
タイの法人設立にあたり、タイ企業との合弁で設立をしており、日本企業(及び日本人個人)が49%、タイ企業が51%という株主構成です。
タイ企業の51%は優先株式となっているのですが、今回配当比率の変更を考えています。配当比率変更の進め方と注意点について教えてください。

A.
タイでは民商法典1142条にて、一度発行した優先株式にかかる条件の変更ができない旨規定がされております。
従って、配当比率の変更をするためには、新たな優先株式を発行(増資)し、その後もとからある優先株式を一度償還(減資)する手続きをとります。
つまり、資本の増減双方の手続きをそれぞれ行う必要が御座います。

タイ企業の保有する優先株式を先に償還すると、資本構成上、外資規制に引っかかります。

そのため、手順の1つとして、少し複雑になりますが、以下のような手順を踏む必要があります。
1. 増資手続き(新たな配当比率による優先株式発行)※旧優先株を償還してもタイ資本が51%以上となるようにするため、先に増資を行う

2. 増資にかかる資本金の払い込み※増資にかかる資金をどのように手配するのか、の検討が必要です。

3. 減資手続き

また、減資につき、タイでは一回の減資が全資本の4分の1以下に減資することは出来ません。その場合には、2度に分けて減資を行う必要があります。

上記の手順をとりますと、一時的とはいえタイ企業の出資比率が本来の比率よりも高くなりますので、トラブルを防ぐために協議や書面締結など準備することが大切となります。

以上
東京コンサルティングファーム
長澤 直毅

 

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2019-10-23

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