こんにちは、
Tokyo Consulting Firmの飯田 愛衣未です。
今回は、フィリピンにおける、新税制改正『CREATE』についての2回目の記事ということで、引き続き要点をまとめて参りたいと思います。
前回同様、税制改正『CREATE』の大きな項目としては3つ、
- 法人税率の低減
- 既存の税務インセンティブの優遇期間の延長
- 繰越欠損金の繰越期間の伸長など
【1.法人税率の低減】
上記については、前回の記事にてご説明しておりますので、是非ご参考ください。
【2.既存の税務インセンティブの優遇期間の延長】
以前の記事でもご説明した、法人税率の引き下げにより、国として減った税収を補う一つの手段として、税務インセンティブの縮小というものが改正前に検討されておりました。
フィリピンには、外資を含めた投資を促進するため、優遇措置の権限を持つ投資促進機関が複数あります。
その中の主な促進機関の一つとして、フィリピン経済特区(PEZA)という機関があり、多くの日系企業様も多く活用されています。
(登録要件有り)
主な優遇措置としては
- 法人所得税の免除
- 付加価値税(VAT)の免除
- 拡大源泉税の免除
などが挙げられます。
しかし、これらの優遇税制は、対象外の企業と比較すると、不均衡なのではないかという疑問の声もあるために、税制改正の議論とも相まって、優遇措置の見直しが行われておりました。
現行のPEZA企業は、法人税率30%の代わりに、売上総利益に対して5%の課税(GIT:Gross Income Tax)が行われておりましたが、この法案により、この優遇税制の抜本的見直しが行われていることにより、税務インセンティブの移行期間が設けられていました。
前法案のCITIRAでは、2~7年としていた移行期間に対し、CREATE法案では更に現行の4年~9年に延長する旨が検討されています。
【3.繰越欠損金の繰越期間の伸長など】
また、前期以降で発生した損金を、翌期以降に繰り越せる繰越欠損金制度の繰越期間を、現行の3年から5年にすることを想定しています。
前回に引き続き、外国資本の誘致のみではなく、新型コロナウィルスによる影響で経営不振に陥った企業への税負担減を今回の法案に加味したものとなっているので、以前のフィリピンと比較をすると、新規企業の進出のハードルは下がり、既存企業にはインセンティブの移行期間の延長になどによるメリットの享受により、有限ではありますが企業活動が行いやすくなることが想定されます。
法案が出てるとはいえ、ASEAN諸国と比較すると、依然として高い法人税率ではありますが、豊富な労働市場と、若手フィリピン人の堪能な英語力、さらに今後も続く人口増加による、内需の増加が要因となり、進出のメリットを見越して進出の検討をされている日系企業は多数いらっしゃいます。
しかし、国としては大幅な税収(歳入)減となってしまうわけですから、どこかでこれらを行う必要があります。
特に、近年では外国企業への積極的な税務調査により、多額の追徴課税を受けてしまったというケースも少なくはありません。
今後も、積極的な税務調査が引き続き、あるいはさらに増加する事も十分に考えられますので、日常的な会計処理の管理、コンプライアンス関係の順守などには一層しっかりとした管理をする、税務調査の旨のレターが来た際には慌てず、必要であれば、顧問先や弊社などへのご相談をされることをしていただくなどの手法をとっていただければと思います。
弊社は、フィリピンへの進出から、その後の会計・税務・労務・法務まですべて対応しておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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飯田 愛衣未
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