こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Cebu Branchの近石 侑基です。
今回は、フィリピンにおける法定休暇についてお話しします。
日本では、勤続勤務年数1年ごとに有給休暇日数が加算されていきますが、フィリピンでは勤務年数に比例して有給休暇日数が増えるということはありません。また、日本の労働基準法では有給消化を奨励している為、法定付与日数分の買い上げは原則として禁止されています。一方で、フィリピンでは5日のうち未消化分については雇用者が買い上げる義務があります。これらは、従業員の福利厚生として会社規則や労働組合との労働協約で定める必要があります。
有給休暇以外にフィリピンでは出産休暇手当、育児や女性保護に係る休暇の規定がありますので、下記に記載いたしました。これらの各休暇については、雇用主は未消化分を買い上げる義務はありません。
■父親育児休暇
父親育児休暇(Paternity Leave)とは、既婚男性に対して、配偶者が出産した場合に、出産から60日以内に7日与えられる有給休暇です。ただし、出産休暇(Maternity Leave)と同じく、回数制限があり、4回まで使用することが可能でございます。
■シングルペアレント休暇
1年以上勤続した片親である従業員に対して、シングルペアレント休暇(Parental Leave for solo parent)という7日の有給育児休暇が与えられます。
■女性及び子どもへの暴力の被害者に対する休暇
女性及び子どもへの暴力の被害者に対する休暇(Leave for victims of violence against women and their children)は、共和国法9262号で定められた暴力の被害者にあった女性従業員に対して付与される10日間の有給休暇です。
■女性に対する特別休暇
12カ月の期間内に6カ月以上勤務した女性従業員は、2カ月間以上の婦人科疾患手術を受けるときに、女性に対する特別休暇(Special Leave benefits for women)という有給休暇が与えられます。実際に発生するケースは限られていますが、発生した場合の企業負担が大きいため、留意が必要です。
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