IFRSと日本の会計基準の関連会社の違い

会計

皆さん、こんにちは。

フィリピン・マニラの近石です。

今週のブログでは、投資先を連結しない場合に適用される持分法(被取得企業の取得時点からの純資産の変動を取り組む会計処理)が適用される関連会社のIFRSと日本の会計基準との違いについて見ていきます。

■IFRSでの関連会社の定義

・投資者が他の企業の議決権の20%以上を保有する場合

・投資先の取締役会又は同等の経営機関への参加

・方針決定プロセスへの参加

・企業と投資先との間の重要な取引

・経営陣の人事交流

・重要な技術情報の提供

上記の通り、関連会社の定義には重要な影響力を有するかどうかが判断の基準になるが、実際に行使されるかどうかが問題ではなく、その能力があるかどうかが重要な判断ポイントになります。また、重要な決定に関する拒否権や債務の保証、信用の延長、ワラントの所有、債務証券又はその他の有価証券の保有、他に株式保有が集中している株主がいないことなども、重要な影響力を示す要因となります。

■日本の会計基準での関連会社の定義

フィリピンと同様、実質的な影響力の有無を重視しており、下記が判定基準となります。

・子会社以外の会社で、議決権の20%以上を実質的に所有してる場合、名義に関わらず、自社の計算で所有している株式が会社の実質的所有とされること

・議決権の所有割合が20%に満たなくても15%以上であり、役員人事・融資・技術提供・取引関係などにより、財務や人事の方針決定に影響力を行使できると推測される場合

・自社との密接な関係に起因して、自社と同一内容の議決権行使を行う協力株主の所有分を合わせれば、議決権の20%以上に到達し、かつ上記2つ目の関係に基づき影響力を行使できる場合

以上から、日本の会計基準では議決権の所有に対して具体的な数値が与えられているのに対して、IFRSでは議決権の所有だけでなく、様々な角度から検討することが必要です。

今週もどうぞよろしくお願い致します。

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