皆さん、こんにちは。
フィリピン・マニラの近石です。
今週のブログでは、日本の親会社がフィリピンの子会社を支配しているかどうかを判断する上で、日本とフィリピンにおいて適用される会計基準が異なること及び相違点を説明いたします。
支配とは企業活動から便益を得るために、その企業の財務及び経営方針を左右する力であるとされています。
フィリピンでの会計基準は国際会計基準(IFRS)であり、日本の会計基準はそれとは別ですので、子会社の定義が異なります。まずは、それぞれの定義の違いを説明いたします。
【日本の会計基準】
子会社は支配力基準で決定し、具体的には下記のいずれかを満たす場合、支配が存在すると考えられます。
- 議決権の過半数を自己の計算において所有している場合
- 議決権の40%以上50%以下を自己の計算において所有し、かつ、自己の計算において所有している議決権と緊密な者及び同意している者が所有している議決権とを合せて他の企業の議決権の過半数を占めている場合
【IFRSの場合】
子会社は支配の概念(パワーとリターン)で決定し、具体的には下記のいずれかを満たす場合、支配が存在すると考えられます。
- 議決権の過半数を自己の計算において所有している場合
- 他の投資企業との契約により議決権の過半数を支配する力を有する
- 法令及び契約書により財務及び経営方針を左右しうる力を有する
- 取締役会又はそれと同等の経営機関の過半数の構成員を選任又は解任する力を有しており、当該取締役会又はそれと同等の経営機関により会社が支配されている
- 取締役会又はそれと同等の経営機関で過半数以上の投票権を集める力を有しており、当該取締役会又はそれと同等の経営機関により会社が支配されている
上記の通り、日本の会計基準では数値基準が示されています。したがって、40%未満の議決権しか所有しておらず、自己の議決権と緊密な者及び同意している者の議決権合計が50%以下の場合、日本基準では支配が存在しないことになりますが、IFRSでは上記要件(1から5)のいずれかを満たせば支配が存在すると判断される可能性がございます。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
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フィリピン国 マニラ駐在員
近石 侑基
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