税制改正!フィリピンにおけるCGTの取扱いとは?!

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。

【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.57< 税制改正!フィリピンにおけるCGTの取扱いとは?! >

今回は、【2018年税制改正項目、CGTの取扱い】をご紹介します。

日系フィリピン子会社の税務コンプライアンスチェックにあたって、キャピタルゲイン税(CGT:Capital Gain Tax)の取扱いが論点になることがあります。

特にCGTは、2018年に税制改正があったトピックのため、変更点に注意が必要です。

非上場企業の株式譲渡:株価の譲渡益に対して15%課税
投資用不動産の売却:売却価格又は市場取引価格の高い価格に対して6%課税
*CGTの申告・納税期限は取引日から30日以内とされています。

フィリピン証券取引所 (PSE: Philippine Stock Exchange) で取引されていない非上場の国内株式における株式譲渡は、譲渡益に対して15%が課税されます。
PSEでの上場企業の国内株式の場合、売却・交換等をした際の価値に0.5%のCGTが課税されます。

2018年の税制改正前は、当該株式の売却・交換等に関して、 譲渡益の最初の10万phpまで5%、10万phpを超える部分に関しては10%のCGTが課せられていました。

また、フィリピン企業の株式譲渡の際に、売却価額が時価よりも低い場合、当該差額は寄付金とみなされ課税される可能性があります。

寄付金課税についても、2018年度に改正が行われ、累進課税又は30%の固定レートであったのが、寄付金相当額が25万phpを超える金額は一律6%、25万php以下は免税へと置き換えられました。

株式譲渡手続きに関しては、CGTの申告納付書・AFS等の書類を用意の上、売主のTIN登録地のRDOに提出し、CAR(Certificate Authorizing Registration)の取得が必要となります。CARを以って、帳簿への記帳が認められ、GISの更新が行われます。

また、投資用不動産の売却は、売却価格もしくは市場取引価格のいずれか高いほうの価格に6%のCGTが課税されます。

一方で、定款の事業目的として不動産売却が記載されている等、不動産売買が自社の事業に直接の関連性を有する場合は、事業用資産とみなされ、CGTは課税されません。
よって、事業用資産の売却損益は、通常の課税所得に含まれ、最終利益に対して30%の法人税が課税されます。

最後に、非居住外国法人に対する所得の支払いに伴って発生するキャピタルゲインの最終源泉税率は15%ですが、日比租税条約の申請により軽減税率が適用されることで、免税にすることが出来ます。

最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也

2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

関連記事

ページ上部へ戻る