フィリピン 証憑不足で予期せぬ追徴課税?!Part.3

経営

 

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。

【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.61< 証憑不足で予期せぬ追徴課税?!Part.3 >

日系フィリピン子会社の税務コンプライアンスチェックにあたって、各種証憑類の取扱いが論点になることがあります。

【証憑と税務の関連性】をテーマにいくつかの事例をご紹介します。

前回に続き、具体的に証憑不足による追徴課税を受けるケースを取り上げていきたいと思います。

 

 

  1. BIR Form2307(源泉徴収票)

源泉税については、サービスを受けた顧客が支払い時に源泉税分を差し引いて、申告納付するため、源泉徴収義務は顧客側に発生することになります。

しかし、実質税負担をしているのは、サービスを提供した側であり、当該源泉税は法人税の前払いの性格を有し、法人税申告の際に税額控除することできます。
これを、Creditable Withholding Tax(控除対象源泉税)といい、赤字企業など決算時に法人税額が発生しない場合は、当該CWTは無期限での繰越が可能となっています。

しかし、源泉徴収額を証するForm2307(源泉徴収票)を顧客から入手できない場合は、当該入手出来ていない源泉税に関して、税額控除は認められない点に注意が必要です。

当該Form2307を年度末に慌てて顧客に一括請求するのではなく、毎月の入金の都度Form2307の発行を依頼し、回収することが実務上は適切な方法となります。

また、源泉徴収については、会社名義のクレジットカードで支払った費用に関しては、源泉徴収は不要となっています。

 

しかし、証憑に関連して、租税裁判にて会社名義のクレジットカードで支払った費用であることを証する証憑不備により、源泉徴収義務・源泉徴収漏れがあったとみなされ、延滞利息や加算税と共に追徴税額を指摘されたケースもあるので、Form2307の回収と同時にカードの明細書等の保管を忘れないことがポイントです。

 

最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

 

Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也

2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。

 

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