こんにちは、
今回は、新会社法における株式・資本金について解説をしたいと思います。
新会社法においては、最低1名の株主が必要とされており、旧会社法下の2名以上の株主という状態から変更されました。
これにより、100%子会社の現地法人が許容されることになります(4(a)(iv))。
また、旧会社法下では、授権資本金制度があり、会社定款で定めた金額(授権資本金額)までは
取締役会決議により増資を行うことが可能でしたが、新会社法下では、授権資本金制度はなく
定款、関連法規の下、会社の決定機関(board of a company)の決定でいつでも
どのような株式でも(種類株式を想定)発行できるとしています。
なお、モデル定款(Draft)においては、取締役・取締役会の決定で発行を行うことができるとされていますが
定款自治が(実務上)広く認められるのであれば、新会社法下でも定款に任意に授権資本金額を設定して、上限額を株主総会でコントロールすることもできるかもしれません。
それから、株式については、払込が未了の部分についても株式として認識される旨が規定されており
その場合に、会社の払込要求(call)によって、その株主は払込の債務を負担している旨を規定する必要があります(63(b))。
このような場合、会計処理上は、資本金と資本金受取の債権を認識するのではなく
払い込まれた部分のみを資本金に組み入れる形になる可能性が高いと思われます
(もしくは、未払込部分も含めて資本金として認識して、そこから未払込部分を控除)。
最低資本金については、規定がないようですが、実務上は、新たなNoticeなどが出ない限りは
現状程度の規制(最低資本金50,000ドル:サービス業)は継続されるのではないでしょうか。
また、現物出資についても取締役会の決定において、一定の手続きの下、認められておりますが(64(a)(b))、外国人の持分については、従来の通り、一定の規制は残る可能性もあり、注意が必要です。
以上