ミャンマーにおける賃金支払の規定に関して

労務

いつもお世話になっております。

東京コンサルティングファーム ミャンマー拠点の西野由花です。

 

ミャンマーにおいては労務に関する法が様々にありますが、

賃金をいつ、どのように支払うかに関しては賃金支払法に規定がされています。

 

賃金支払法は1936年の賃金支払法の改正法として2016年1月に制定されました。

この法律では従業員への賃金の支払いに関する方法の他にも、賃金からの控除に関する規定や支払い日について等が示されています。

賃金支払法4条では、賃金の支払い日についての規定がされており、

 

1.従業員が100名未満の企業:締め日の支払い

2.従業員が100名以上の企業の場合:締め後5日以内の支払い

 

と規定されています。

また、退職時は退職後2日以内の支払いが求められる他、退職届を受け取った場合の賃金は締め日の支払いとすることと定められています。(賃金支払法4条)

なお、店舗及び商業施設法が適用となる企業の場合、店舗及び商業施設法に給与支払い日の記載があり、その場合には翌月7日までに支払うことと規定されています。

実務上は労働局に問い合わせると、店舗及び商業施設法が適用される企業の場合であっても賃金支払法に従うようにと指示をされる場合もございますが、基本的には店舗及び商業施設法の対象企業はこちらの法に従い、支払を行っていくこととなります。

 

賃金の支払いはミャンマーチャットもしくはミャンマー中央銀行によって認められた外貨を用いて現金、小切手もしくは銀行振り込みによって支払うことが認められています。(賃金支払法3条)

 

さらに、賃金の控除については休暇を使用しない欠勤や法令等で規定されている場合にのみ適用されます。

ただし、家賃補助や通勤手当、食事手当、飲料水費、電気代の他、税金やミスによる控除は認められています。(賃金支払法7条)

また、従業員に業務上求められるパフォーマンスを示すことができなかった場合を除き、控除の合計金額は授業員の賃金の5%を超えることは認められていない他、16歳以下の労働者に対する控除は原則として認められていません。加えて、上記の控除は明文化されている必要があります。(賃金支払法9条、10条)

 

罰則金に関しては、故意か過失かにかかわらず、会社の資産に損害を与えた場合や雇用契約書やその他規則において事前に定められていた場合、雇用者は従業員に対して罰則金を科すことは可能です。(賃金支払法11条)

 

いかがでしょうか。

ミャンマーでは賃金の支払の他、控除や罰則金に関しては一つの法として定められている一方で、別の法律にも賃金支払法と関わる項目があるなどそれぞれの企業様の形態に合わせた方の確認と認識が必要となってきます。

 

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Tokyo Consulting Firm Co., Ltd (ミャンマー)・ヤンゴン駐在員
西野由花(Nishino Yuka)

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