マレーシアにおける投資規制に関して

投資環境・経済

いつもお世話になっております。
東京コンサルティングファームマレーシア法人にて勤務しております、中村です。

今回はマレーシアにおける投資規制に関して触れたいと思います。

 

マレーシアはマレー系、中国系、インド系の人々が住む多民族国家であり、民族間の経済格差が問題となっていました。

連邦憲法に定義されているマレーシア系先住民のことを、ブミプトラと言います。ブミプトラを優遇・保護するための政策全般は「ブミプトラ政策」と呼ばれ、ブミプトラの経済格差是正だけでなく、外資規制としても機能してきました。ブミプトラ政策の目的は、ブミプトラ企業への支援や、ブミプトラの教育環境の向上および就労の支援とされてきました。

しかし、ブミプトラ政策に基づく外国資本の企業設立に対する規制は大幅に緩和されており、製造業などほとんどの業種で1 0 0%外国資本による出資が認められています。
ただし、サービス業、とりわけコンビニエンスストアなどの卸・小売業分野では規制が残っています。

 

2010年に公表された「マレーシア流通取引・サービスへの外国資本参入に関するガイドライン(Guidelines on Foreign Participationin the Distributive Trade Services Malaysia)」で、流通業・小売・卸業について、外資参入の禁止業種が以下のとおり定められています。

  • スーパーマーケット、ミニマーケット(販売床面積3,0 0 0㎡未満)
  • コンビニエンスストア(24時間営業)
  • 新聞販売店、雑貨店
  • 薬局(伝統的なハーブや漢方薬を販売する薬局)
  • ガソリンスタンド(コンビニエンスストア併設店を含む)
  • 常設の生鮮市場
  • 常設路面店
  • 国家の戦略的利益に関連する事業
  • 布屋、レストラン(非高級店)、ビストロ、宝石店等

上記のような、禁止業種のほか、出資比率規制や最低払込資本金についての規制が、業種ごとに設けられています。

 

目次

[国家権益に関わる事業]

国家権益に関わる事業(水、エネルギー・電力供給、放送、防衛、保安等の国益に関わる分野)では、外資参入が30%または49%に制限されています。

 

[製造業]

製造業では、ほとんどの業種で1 0 0%外資参入が認められており、資本金条件も課されていません。

ただし、製造業を営む場合には、国際貿易産業省(MITI:Ministry of International Trade andIndustry)が発行するライセンスが必要となり、マレーシア投資開発庁(MIDA:Malaysian Investment Development Authority)に申請を行います。
このライセンスの取得は、株主資本が250万リンギット以上、または従業員が7 5名以上いる製造業の株式会社に対して義務付けられています。

 

[サービス業]

物流業、卸・小売業、その他別途法律で規定されている商品およびサービス(石油製品、医薬品、有害物質など)を取扱う会社を除く、その他のさまざまな販売形態のサービス業については、最低払込資本金が100万リンギットと定められています。
サービス業についての管轄は国内取引・消費者省(Ministry ofDomestic Trade and Consumer Affairs)です。

 

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東京コンサルティングファーム
中村 文香

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