雇用契約書に関して

お世話になります、
Tokyo Consulting Firm Sdn Bhd の安孫子です。

本記事にて、マレーシアの雇用契約書について記載します。

■ 雇用契約書
マレーシアでは労働者を雇用する際には、マレーシア語または英語など、労働者と雇用者の双方が理解できる言語で記載した雇用契約書を作成する必要があります。また、法定ではありませんが、雇用契約書に付属する書類として、通常、職務記述書が作成されます。
雇用契約書には職務内容、雇用期間、試用期間などを明記しなければいけません。原則として、雇用契約は期間を定めないことになっていますが、有期雇用契約を結ぶ場合は5年未満にする必要があります。労働者側から雇用契約に関して異議申し立てがあった場合には、期間を限定して雇用契約を作成した理由を、雇用者側が立証しなければなりません。立証できなかった場合、期間の定めのない雇用契約が作成されたと判断されます。
マレーシアで雇用契約書を作成するときは、以下の条項が含まれている必要があります。

・ 労働者の氏名
・ 雇用者の氏名
・ 雇用者の納税識別番号(NRIC:National Registration Identity Card)
・ 仕事内容、雇用者についての情報
・ 雇用契約の締結場所、締結日
・ 役職、職務内容
・ 雇用契約期間(有期雇用契約の場合は、有期契約とする理由)
・ 就業場所(支店等ほかの場所が就業場所となる場合は、その場所)
・ 給与支払の期間、支払日、支払方法
・ 労働時間、休暇
・ 重労働や危険を伴う仕事内容の場合の手当
・ 特別な職務の場合の規定
・ 社会保障に関する事項
・ 雇用法に規定されているその他事項
・ 試用期間について
・ 秘密保持の義務
・ 任意保険の種類と条件
・ 労働者とその家族への任意の福利厚生
・ 雇用者および労働者の権利・義務の詳細

雇用契約書において上記の項目に不足があっても、雇用契約が無効となることはありません。ただし、不足している場合には加筆修正する必要があります。雇用契約書は雇用者、労働者が相互に署名した日から有効となります。もし書面を交わさずに雇用を開始して労働させた場合は、できるだけ早く雇用契約書を作成する必要があり、雇用開始日は初めて労働させた日となります。
雇用契約書のほかに就業規則等の雇用に関して規定されている書類があれば、雇用者は労働者に対して明示する必要があります。特に、雇用契約書に従業員の義務等について詳細な記載がない場合は、職務内容について従業員へ伝える必要があります。労働者に対して雇用に関する書類をすべて開示しなければならないため、雇用者はそれらの書類について把握し、可能であれば、その写しを労働者へ渡すことが望ましいと考えられます。

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東京コンサルティングファーム マレーシア拠点 / Tokyo Consulting Firm Malaysia
安孫子 悠治 (abiko yuji)

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