【2026年最新版】マレーシア法人設立の費用・手順を徹底解説

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループマレーシア拠点の長山毅大です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「マレーシアでの法人設立」についてお話していこうと思います。

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目次

はじめに

なぜ今、マレーシアへの法人設立が注目されるのか

近年、日本企業や個人事業主の間で、東南アジア・マレーシアへの法人設立が急速に注目を集めています。その背景には、法人税率の優遇、英語が公用語として通じるビジネス環境、外資100%出資が可能な規制環境、そして物価の安さによる運営コストの低さがあります。

特に「マレーシア 法人設立 費用」で検索するユーザーが急増しており、実際に設立を検討している経営者・個人投資家・リモートワーカーが多数いることがわかります。しかし、インターネット上には断片的な情報が多く、「実際のところいくらかかるのか」「どんな手順を踏めばよいのか」が一目でわかる情報が少ないのが現状です

 

本記事では、マレーシアの会社設立専門家の知見をもとに、法人設立にかかる費用の全体像から手続きの流れ、税制のメリット、日本・シンガポールとの比較まで、網羅的かつ実務的に解説します。


マレーシア法人設立の費用はいくら?初年度の総費用モデルケース

マレーシアで法人(現地法人)を設立する際の初年度総費用は、おおむねRM25,000〜35,000(日本円換算で約75万〜100万円前後)が目安です。ただし、就労ビザ(EP)の取得や業種ライセンスの申請が加わると、さらに費用が増加します。

以下に、標準的なケースのコスト内訳をご紹介します。

費用項目 金額(目安) 備考
会社登記費用(CCMへの申請) RM1,000〜2,000 名称調査・登記申請
会社秘書役費用(初年度) RM4,000〜6,000 コンプライアンス管理
名義取締役費用(初年度) RM5,000〜8,000 居住取締役が必要な場合
登記住所貸しサービス RM5,500〜7,000 バーチャルオフィス利用
監査・会計費用(初年度) RM8,000〜12,000 年次決算対応
銀行口座開設手数料 RM500〜1,000 銀行による
合計(目安) 約RM24,000〜37,000 EP取得なしのケース

 

EPあり・WRTありのケース別費用

ケース 追加費用の目安 対象
就労ビザ(EP)取得あり +RM3,000〜5,000 駐在員を送り込む場合
WRTライセンス取得あり +RM5,000〜10,000 KL市内で小売・卸売業
会社設立のみ(休眠会社) RM10,000〜15,000 最小限での設立維持

なお、費用は設立支援会社によって大きく異なります。格安サービスは後から追加費用が発生するケースも多いため、見積もりを複数社から取ることを強くおすすめします。


最低資本金はいくら必要か?EP取得との深い関係

最低資本金はRM1から設定可能

マレーシアでは、法律上の最低資本金はRM1(約30円)から設定可能です。理論上は非常に少額からスタートできます。ただし、実際のビジネス運営においては、資本金の設定が就労ビザや各種ライセンスの取得に大きく影響します。

就労ビザ(EP)取得にはRM500,000が必要

日本から人材を派遣する場合に必要な就労ビザ「Employment Pass(EP)」を取得するためには、原則として資本金がRM500,000以上であることが求められます。これは現行のマレーシア移民局ガイドラインに基づく基準であり、申請の際に最もよく問われる条件の一つです。
また、クアラルンプール市内での小売・卸売業を行うために必要なWRTライセンスを申請する場合は、資本金RM100万以上が要件とされています。

目的 必要資本金の目安 根拠
法人設立のみ RM1以上 Companies Act 2016
就労ビザ(EP)の申請 RM500,000以上 移民局ガイドライン
WRTライセンス取得 RM100万以上 内国歳入庁・WRT規定

これらの基準は変更されることがあるため、申請前には専門家や当局に最新情報を確認することを推奨します。


マレーシア法人設立の手順と所要期間

法人登記自体は比較的スピーディーに完了しますが、就労ビザや業種別ライセンスの取得を含めると、事業を本格的に開始できるまでに2〜7か月程度かかるケースが多いです。以下に標準的なスケジュールをご説明します。

ステップ 内容 所要期間
STEP 1 商号候補および必要情報の決定 1週間
STEP 2 ネームサーチ・名称保全申請(CCM) 1週間
STEP 3 定款の作成(任意) 1〜2週間
STEP 4 定款の確認・署名押印 1〜2週間
STEP 5 SSMへ設立書類の提出・登記申請 約1週間
STEP 6 法人設立完了(Certificate of Incorporation取得) 2〜3週間
STEP 7 銀行口座開設 2〜4週間
STEP 8 ビジネスライセンス取得 2〜3か月
STEP 9 ESD登録・EPビザ申請 2〜3か月

各ステップの詳細解説

STEP 1〜2:商号決定とネームサーチ
まず設立したい会社名(英語)を3候補ほど準備します。マレーシアでは、会社名は唯一性が求められ、既存の登録名と重複することができません。CCM(マレーシア会社登記所)のオンラインシステムを通じてネームサーチを行い、希望の名称が使用可能かどうかを確認します。
非公開会社(Sdn Bhd)の場合は社名末尾に「SDN BHD」または「Sendirian Berhad」がつきます。公開会社の場合は「BERHAD」または「BHD」となります。

STEP 3〜5:定款作成と登記申請
Companies Act 2016(マレーシア会社法)のもとでは、定款(Constitution)の作成は義務ではありません。ただし、特別な株主権利設定や特定の条項を盛り込みたい場合には定款を作成することが推奨されます。定款がない場合は、会社法の規定がデフォルトで適用されます。
必要書類が揃ったら、会社秘書役を通じてSSM(マレーシア会社登記所)に申請を提出します。書類に不備がなければ、数営業日以内に法人設立が完了し、法人番号と設立証明書(Certificate of Incorporation)が発行されます。

STEP 7:銀行口座の開設
法人口座の開設は、設立後の重要なステップです。ただし、ローカル銀行(マレーシア国内銀行)の場合、原則として代表者がマレーシアに滞在していることが求められ、EPビザがないと開設が困難な場合があります。
日系銀行(MUFGやみずほなど)の場合は、親会社(日本法人)から直接依頼する形での開設が可能なため、駐在員なしでの法人設立初期でも対応しやすいケースがあります。

STEP 8〜9:ライセンス・ビザ取得
業種によって取得すべきライセンスは異なりますが、一般的なビジネスライセンス取得には2〜3か月を要します。クアラルンプール市内で小売・卸売業を行う場合はWRTライセンスが必要です。
日本から従業員を派遣する場合には就労ビザ(Employment Pass)の取得が必要です。申請にはESD(Employment Service Division)への法人登録が前提となります。EPの審査・取得には通常2〜3か月かかり、申請が通ることを保証するものではありません。


マレーシアの会社形態と最適な選択肢

主な進出形態の比較

マレーシアへの事業進出には複数の形態があります。目的に応じて最適な形態を選択することが、後のコストや手続きに大きく影響します。

進出形態 税務上の区分 営業活動 主な特徴
現地法人(Sdn Bhd) 内国法人 可能 外資100%可、投資インセンティブあり
支店(Branch Office) 居住外国法人 可能 卸売・小売業は不可
駐在員事務所 非居住外国法人 不可 情報収集・市場調査のみ
有限責任組合(LLP) 組合 可能 小規模・専門職向け

 

現地法人(株式有限責任会社 Sdn Bhd)が最も一般的

外国企業にとって最も一般的かつ推奨される形態が、株式有限責任会社(Company Limited by Shares)の非公開会社(Private Company、Sdn Bhd)です。外資100%で出資が可能であり、株主の責任は引受株式の金額に限定されます。
非公開会社の主な要件は以下のとおりです。

● 株主数:1名以上(50名以下)
● 居住取締役:1名以上(マレーシアに居住する者)
● 会社秘書役(Corporate Secretary):1名以上(CCMライセンス取得者)
● 登記事務所(Registered Office):マレーシア国内に必要
● 監査人(Auditor):1名以上(公認会計士)

名義取締役(Nominee Director)とは

マレーシアに居住する取締役が確保できない場合、「名義取締役(Nominee Director)」サービスを利用することができます。これは、マレーシアに183日以上居住する個人に名義を貸してもらい、取締役として登記する合法的な手段です(Companies Act 2016 第217条)。
名義取締役は実際の経営に関与せず、法定上の要件を満たすための措置であり、マレーシアでは一般的な慣行とされています。費用は年間でRM5,000〜8,000程度が目安です。


マレーシアの法人税制と税務上のメリット

マレーシアの標準法人税率は24%です。これは日本の実効法人税率(約30%)と比較して低く設定されています。また、中小企業向けや特定業種向けの優遇税率が設けられており、条件によっては実質的な税負担をさらに抑えることが可能です。

税目 税率・内容
法人税(標準) 24%
中小企業優遇(最初RM600,000まで) 17%
配当課税 原則非課税(シングルティア制度)
消費税(SST) 6〜10%(売上規模による)
源泉徴収税(非居住者への支払い) 10〜15%(内容による)

 

投資インセンティブ(促進地区・業種別優遇)

マレーシアには、製造業や研究開発、デジタル経済などを対象とした投資インセンティブが多数用意されています。MIDA(マレーシア投資開発庁)が認定する事業者に対しては、一定期間の法人税免除(Pioneer Status)や投資控除(Investment Tax Allowance)が適用されるケースがあります。
特に、イスカンダル経済特区(ジョホール州)やマルチメディアスーパーコリドー(MSC)ステータスを取得した場合など、特定の地域・業種では5〜10年の法人税免除など大きな優遇が受けられる可能性があります。


マレーシア・シンガポール・日本の徹底比較

マレーシアで法人設立を検討する際、しばしばシンガポールや日本との比較が話題になります。それぞれの特徴を整理します。

比較項目 マレーシア シンガポール 日本
標準法人税率 24% 17% 約30%
設立費用(目安) RM25,000〜 SGD5,000〜 50万円〜
最低資本金 RM1〜 SGD1〜 1円〜
EP(就労ビザ)条件 RM500,000の資本金 月収SGD5,000〜 在留資格ごと
公用語 マレー語・英語 英語 日本語
外資規制 業種制限あり(緩和傾向) ほぼなし ほぼなし
生活コスト 低〜中 中〜高
設立所要期間 2〜3週間(登記) 1〜2週間(登記) 1〜2週間(登記)

 

マレーシアとシンガポール、どちらを選ぶべきか?

シンガポールは法人税率が17%とマレーシアより低く、規制も少ないため、グローバル展開を視野に入れた大企業には人気があります。一方で、設立・維持コストはマレーシアより高く、生活費も非常に高額です。
マレーシアは設立・維持コストが低く、英語が通じ、日本からのアクセスも良好です。中小企業や個人投資家、リモートワーカーがコストを抑えて東南アジアに法人を持ちたい場合には、マレーシアが非常に合理的な選択肢になります。
結論として、「コスト重視」「スタートアップ段階」「東南アジア市場への足がかり」を重視するならマレーシア、「グローバルな信頼性・税率の最低化」を最優先するならシンガポールが向いていると言えます。


よくある失敗事例と注意点

失敗①:資本金不足でEPが不許可に
最も多い失敗の一つが、「RM1〜RM10,000の少額資本金で設立後、EP申請をしたところ不許可になった」というケースです。EP取得にはRM500,000の資本金が事実上必要です。設立時に将来の就労ビザ申請を見越した資本金設定を行わないと、後から増資手続きを行う必要があり、時間とコストが追加でかかります。

失敗②:銀行口座が開設できない
法人設立は完了したものの、銀行口座が開設できないケースが散見されます。ローカル銀行は代表者のマレーシア滞在(EPビザ所持)を求めることが多く、設立直後に入金・送金ができない状態が続くことがあります。事前に日系銀行への相談や、銀行要件の確認が重要です。

失敗③:コンプライアンス義務の見落とし
マレーシアの法人は設立後も、年次総会の開催、財務報告書の提出、SSMへの年次申告など複数のコンプライアンス義務があります。会社秘書役に委託していても、費用の支払い漏れや書類提出の遅延があると、罰則が課されたり、最悪の場合は法人が強制解散されるリスクがあります。

失敗④:WRTライセンスなしで営業
クアラルンプール市内で小売・卸売業を営む場合、WRT(Wholesale, Retail Trade)ライセンスが必要です。これを取得せずに営業を開始すると、違法営業とみなされるリスクがあります。また、WRTライセンス取得には資本金RM100万以上の要件があるため、事前に要件を確認しておく必要があります。

失敗⑤:格安代行業者によるトラブル
オンラインで見つかる格安の設立代行サービスの中には、サービスの品質や対応が不十分なケースもあります。設立後のコンプライアンス対応や銀行口座開設支援、ビザ申請サポートまで含めて一貫して対応できるか、契約前に確認することが重要です。実績のある専門家や信頼できる紹介ルートを活用することをおすすめします。


FAQ:よくあるご質問

Q. マレーシアの法人設立に日本人は必要ですか?
いいえ、設立に日本人であることは必須ではありません。ただし、取締役は最低1名以上のマレーシア居住者が必要です。居住取締役が確保できない場合は名義取締役サービスを利用できます。

Q. 設立後の会社維持費はどのくらいかかりますか?
会社秘書役費用(年間RM4,000〜6,000)、監査費用(年間RM8,000〜12,000)、登記住所費用(年間RM1,500〜3,000)などが継続的にかかります。会社をアクティブに維持するには年間RM15,000〜25,000程度を見込んでおくのが現実的です。

Q. マレーシア非居住者でも法人設立できますか?
はい、可能です。名義取締役サービスを利用することで、マレーシア非居住者でも法人を設立することができます。ただし、銀行口座開設や就労ビザ取得の際には居住者としての滞在が求められる場合があります。

Q. 個人名義でビジネスを行う「Sole Proprietorship」とどう違いますか?
Sole Proprietorship(個人事業)は登記が簡単で費用も安いですが、個人に無限責任が生じます。一方、Sdn Bhd(株式有限責任会社)は有限責任であるため、リスク管理の観点から法人設立が有利です。また、法人化することで信用力が高まり、銀行融資や大企業との取引がしやすくなるメリットもあります。

Q. 設立した法人をクローズ(解散)するにはどうすればいいですか?
法人の解散(清算)はVoluntary Winding Upの手続きが一般的です。主な手順としては、取締役会および株主総会での清算決議、会社秘書役を通じたCCMへの申告、債務返済・資産処分、タックスクリアランス取得、清算完了の申告などがあります。清算には通常6か月〜1年程度かかります


まとめ

本記事では、マレーシアでの法人設立に関する費用・手順・税制・比較・注意点を網羅的に解説しました。最後に重要なポイントを整理します。

● 初年度の総費用は約RM25,000〜35,000が目安(EP・WRTなしの場合)
● 最低資本金はRM1からだが、EP取得にはRM500,000が事実上必要
● 法人登記自体は2〜3週間で完了するが、ビザ・ライセンスを含めると全体で2〜7か月
● 最も一般的な形態は非公開会社(Sdn Bhd)、外資100%で設立可能
● 法人税率は24%、中小企業優遇(17%)もあり、日本(約30%)より低い
● シンガポールと比較して設立コストが低く、生活費も安い
● 名義取締役・会社秘書役は合法的サービスであり、非居住者でも設立可能
● 資本金設定・銀行口座開設・コンプライアンスの見落としが主な失敗原因

マレーシアへの法人設立は、適切な準備と専門家のサポートがあれば、日本企業・個人投資家・フリーランサーを問わず、現実的かつ効果的なビジネス展開の手段です。本記事を参考に、ぜひ具体的な検討を進めてみてください。


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