~国別報告書とマスターファイルに係る最終ルールの公表について~

税務

皆さま、こんにちは。

バンガロール支店マネージャーの坂本です。

 国際間取引における租税回避行為を防止するための対策として、世界中の税務当局が統一のルールの下、税務執行をしようとする取り組みが進行しています。税源浸食・利益移転(BEPS)対策プロジェクトに掲げる15項目の行動計画のうち、「BEPS行動計画13(移転価格関連の文書化を再検討する)」においては、共通化された様式(マスターファイル、国別報告書及びローカルファイル)にしたがって、多国籍企業がグループ全体の財務情報や事業情報等、従前以上の情報を各税務当局に提供することが要請されています。

これに伴い、インド政府も2016年財政法を通じてインド所得税法を改正し、この行動計画13に盛り込まれた勧告を実践するために移転価格文書と国別(CbC)報告書に関する規定を導入しました。

インド税務当局は、2017年10月31日付けで、マスターファイル及びCbCレポート提出に関する最終的なルールを公表しました。最終ルールは、2016年4月1日以降に開始する会計年度に適用されることになります。

□対象企業□

マスターファイルの対象企業(インド所得税法286条)

以下二つの条件の両方を満たす企業は、マスターファイルの対象企業となります。

1.国際グループの連結売上高が50億INRを超える企業

2.国際取引の総額が5億 INRを超える場合

※日本のルールでは、直前会計年度の連結総収入金額 1,000 億円以上の多国籍企業グループが対象とされる中、インドのルールでは連結総収入金額が50億INR以上とされています。この免除基準の金額は他国と比較しても、あまりにも低い水準であるため、今後見直される可能性はあります。

国際取引を有する全てのインド企業:3CEAA パートAの提出が必要

上記1と2の両方の要件を満たす企業:3CEAAパートAとパートBの両方の提出が必要

※国際グループの連結売上高が外貨建てで報告されている場合のインドルピー 建ての価額の算定は、会計年度末日に おける(インドステイト銀行が算出する)対顧客電信買相場を適用の上行います。

構成会社がマスターファイルの期日までの提出を怠った場合、50万INRのペナルティが課されることになります。

2017年3月期のマスターファイルの提出期日は、2018年3月31日となります。

CbCレポートの対象企業

前会計年度の財務諸表に反映される国際企業のグループ全体の連結売上高が550億INRを超える場合

※マスターファイルと同様、国際グループの連結売上高が外貨建てで報告されている場合のインドルピー建ての価額の算定は、会計年度末日に おける(インドステイト銀行が算出する)対顧客電信買相場を適用の上行います。

CbCレポートの対象法人は、レポートの提出期日の最低でも2カ月前までにインド国外に所在する親会社の詳細等をフォーム3CEACを用いて、税務当局に報告しなければなりません。2017年3月期の報告期日については、2018年1月31日となります。

□適用対象会計年度と提出期限の延長□

初年度である2017年3月期のマスターファイルとCbCレポートの提出期限は、2018年3月31日に延長されています。また、親会社又は代理親会社に関する詳細の通知は、所得税申告書の提出期日の2カ月前までとなります。初年度の通知期日については、2018年1月末まで延長されておりますので、対象企業の方については早急に準備を進めていただく必要があります。

弊社では、会計・税務、人事労務、行政の対応まで幅広くサポートを行っております。

移転価格に関するご相談につきましても柔軟に対応可能でございますので、お気軽にお問合せ下さい。

今週は、以上です。

東京コンサルティングファーム

坂本 佳代

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