駐在員の今西です。
インド勤務が今年の4月から始まり、8ヶ月が経とうとしています。日本でも、現在経済の立て直しが急務となっているようで、円高や増税の議論が活発化しているように思えます。
インド人と話しをすると「日本経済は先ゆき不安、インド経済の未来はバラ色」みたいな話を頻繁にされるので、どうしても粗さがしをしたくなってしまうのが人情です。それはさておき、インド経済についてIMFが0.4%ぐらいですが下方修正しました。それは金融政策を行っているものの「依然として実質金利が低い」からです。先の10月25日に行われた政策決定会合でも政策金利が8.25%から8.50%に引き締められました。13回にも及ぶ利上げに対してインフレ率は9.7%台を維持しています。
IMFが言っている実質金利ですが、これは名目利子率から期待インフレ率を引くと出てきます。企業が設備投資を行う際に指標となったり、為替の推移にも影響を及ぼしたりしますので大変重要な数値です。インドの場合は、期待インフレ率はざっくりといいますとWPIが卸売物価指数上昇率が9.6%ですのでこの数値を使うとして、政策金利が8.50%ですので大体-1.1%ぐらいと推察できます。これだと、RBIが行っている金融政策があまり効果が出ていないと言われても仕方がないように思えますし、インフレが進むように思えます。
しかし、小売の外資規制の撤廃を決定したり、電力供給や物流の非効率を緩和しようとしたりという動きが見て取れます。特に、小売の外資規制の撤廃は現在のサプライチェーンの非効率性を緩和するのに非常に有効だと思われます。これは過小供給となっている状況を是正し、需給ギャップを緩和し、インフレを緩和するという効果があると私は思います。
今後もインフレ率や、実質金利、各種統計などで気になる点を簡単に検証し、ブログで書きたいと思います。
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