こんにちは。Gurgaon事務所の仁井いずみ(ニイ)です。今回はインド人の生産性を上げるための工夫について具体的にみていきます。
① 職務記述書とタイムシートの活用
職務記述書とは、役職ごとに処理すべきタスクを洗い出したリストであり、実際に運用されている企業様も数多くいらっしゃると思います。行うべき業務を明確にできるというのが最大の利点ですが、一般的に責任範囲やタスクごとの適正時間は曖昧に記載されています。そのためマネージャーが自分の責任範囲を理解せず、マネージャー自身で作業を行ってしまうケースが多くあります。
こうした問題に対して、実際に対処したA社の事例をご紹介します。A社では、まずは各タスクに対して作業担当者とチェッカーの名前を併記し、責任の範囲を明確にしました(下表参照)。作業者→シニア→マネージャー、といったチェック体制を徹底し、シニア以上は作業をせず、チェックのみに徹しました。そうすることで、作業者は自分の業務に対して責任を持って取り組むようになり、またチェッカーから承認をもらうまで成果物のリバイスを行うことになったため、会社が求めている製品基準を認識しながら業務を行うようになり、結果として成果物の正確性が向上しました。
またタスクごとに平均処理時間を設定したことで、作業者はこの指標を意識しながら業務を行うようになったため、生産性を向上させることができました。
【A社の職務記述書例】
タスク名 |
処理回数/月 |
平均処理時間/回 |
合計処理時間/月 |
作業者 |
チェッカー1 |
小口現金処理 |
25 |
0:30 |
12:30 |
Mr. A |
Mr. C |
新入社員へのオリエンテーション |
5 |
0.20 |
1:40 |
Mr. B |
Mr. C |
そして、このように職務記述書の問題点をクリアにした後に行いたいのが、タイムシートの活用です。タイムシートには、作業ごとに計測した時間を記録していきます。そして、月の最後に職務記述書で定めた合計処理時間/月と比較することで、効率性を図ることが可能となります。例えばA社の場合、小口現金処理の担当者であれば、その処理にかかった時間をタイムシートに毎日記録し、月末に集計します。仮にその時間が14時間であれば、職務記述書上で規定されている小口現金処理の合計処理時間/月と比較し、今月は1時間半時間を多くかけてしまったこと、さらにその原因がどの日にあったのかを把握することが出来ます。こうすることで、毎日発生するルーチン業務であってもスピードや生産性を意識させ、社員自ら効率よく行動するよう意識付けを行うが可能となります。
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以上