~ PF制度① ≪概要≫ ~

労務

Tokyo Consulting Firm Private Limited
Tokyo Consulting Firm Human Resources Private Limited
バンガロール支店 マネージャー
岩城 有香 (いわき ゆか)
TEL: +91 99-8033-7615 / E-MAIL: iwaki.yuka@tokyoconsultinggroup.com

 
こんにちは、インド大好き、TCFインド・バンガロール駐在員の岩城です。 
日頃、お客様から寄せられる質問等につきまして、Q&A方式で回答させていただいております。

今回は、インドの年金制度である‘PF:プロビデントファンド’について、お伝え致します。尚、当該テーマについては、過去にもブログでご紹介しておりますので、併せてご参照下さい。

Q:PFとは、どの様な制度でしょうか。概要を教えて下さい。

A:PFとはインドの‘Employees Provident Fund and Miscellaneous Provisions Act,1952’において定められた、インドの年金制度の1種です。日本語に置き換えると‘従業員準備基金及び雑則法’となります。
 日本の「厚生年金」に類似する制度であり、従業員の退職後の生活保障を目的とし、雇用主である企業と従業員双方が毎月掛け金を積み立て、退職後に従業員が年金として受け取る仕組みになっています。

 対象企業は、従業員数が20名を超える事業体(現地法人・駐在員事務所・支店・プロジェクトオフィス等含む)の従業員となります。
 尚、ローカル従業員と日本人駐在員などの国際労働者(International Worker)では、対応内容が異なりますのでご留意下さい。

 元々は、PF企業且つ、基本月給6,500Rp未満の従業員が加入する制度とされていました。しかし2008年の法改正により、International Workerと呼ばれる日本人駐在員を含めた国際労働者は、給与額に関わらず加入が義務付けられました。
 よってPF該当企業においては、駐在員は着任した日からPFへの加入が必要となります。更に2014年の法改正により、ローカル従業員のPF加入要件は、基本月給6,500Rp未満から15,000Rp未満へ引き上げられました。
 実務上は、PF適用企業となった場合は全員加入しているケースもございますが、基本的にはローカル従業員で基本月給15,000Rp以上の方は任意加入となります。尚、この納付金は従業員の給与から毎月源泉徴収されます。

 留意すべき点は、企業が一旦PF企業に登録された場合、その後に従業員数が20名を下回り、PF企業の要件を満たさなくなった場合においても、PF制度を継続する必要があります。ローカル従業員においても一旦PF制度に加入した場合は、その後の昇給等で基本月給が15,000Rpを上回った場合においてもPF制度を継続する必要があります。

 次回はPF制度の問題点と日印社会保障協定の動向についてお伝えします。
 その他ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limited, Tokyo Consulting Firm Human Resources Private Limited)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承くださいませ。

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