インド人事制度のコツ②

労務

こんにちは。Gurgaon事務所の仁井(にい)いずみです。
先週からChennaiにきております。インドでは各地域言語が異なるといいますが、Chennaiにきてそれをひしひしと感じます。まず看板などがほとんどタミル語で書かれています。標準語はヒンディーと思っていましたが、州が違えば言語が違う、つまり国が違うも同然だと実感しました。

前回はインド人の特徴について触れました。今回はそれを理解したうえでいかに人事制度を構築していくかということについて書かせていただきます。

インドでは各人事制度に強い関連性を持たせて、それをもってインド人教育を行うことが重要であるといえます。というのも日本人感覚とインド人感覚は当然違うためインド人に日本人的感覚は通用しないため、各人事制度が論理的につながりを持っておく必要があるためです。教科書通りの人事制度を作るより、会社の状況にあった制度を作ることが大事です。今回は特にインド人教育につながる制度のみに焦点を当てていきたいと思います。

インド人教育につながる制度といえば、評価制度や目標管理制度が挙げられます。特にインドでは評価制度を取り上げている企業が多いです。しかしながら現実は昇給率の根拠ための評価となっている傾向が強く、インド人教育にはなかなか結びついていないことが多いです。

まずすべきことは、インド人に対して何を求めるかということです。インドで転職活動が頻繁に行われ、転職を繰り返すことで役職が上がりやすい=実力以上に役職が高いという傾向にあります。役職が高いという事は会社が求めることも高いという事です。まずは各役職に対して会社が何を求めるかを明確に提示する必要があります。そのツールが職務分掌(Job Description)です。ポイントは業務内容の羅列だけでなく、責任範囲や社員として持つべきマインド(チャレンジング精神やリーダーシップ、責任感など)についてもしっかりと明記することです。業務だけを提示すると、それ以外の業務はやらなくていい、という発想を持たれるリスクがあります。

もう一つのポイントはわかりやすい言葉で書くことです。すでに日本本社で職務分掌を持っている企業も多くありますが、拝見する限り抽象的な表現が多く、具体性に欠けているケースが多いです。インド人にわかってもらうためには、わかりやすく具体的であること、今起きている問題を指摘するような表現を使うことが大事です。

職務分掌は教育ツールであり評価制度の原点になります。なぜなら職務分掌で提示したことは会社の求めるあるべき社員像だからです。

次回は教育ツールとしての活用方法について触れたいと思います。

↓クリックにご協力お願い致します↓

人気ブログランキングへ

関連記事

ページ上部へ戻る