インドの労働法⑭THE CONTRACT LABOUR (REGULATION & ABOLITION) ACT, 1970

こんにちは。Gurgaon事務所の仁井(にい)いずみです。Delhiは暑さのピークを迎えております。日中は50度近く、夜8時くらいでも42度くらいあります。湿気がないためさほど不快感はありませんが日中のドライヤー並みの熱風には驚かされます。

さて今回はTHE CONTRACT LABOUR (REGULATION & ABOLITION) ACT, 1970(契約労働(規制および廃止)法)について触れたいと思います。

日本でいう契約社員について規定した法律です。派遣元(Contractor)と派遣先(Principal employer)に対して契約社員の扱いを定めています。法律によるとContractorは、契約労働者を通じて、施設のために一定の成果をもたらすことを引き受ける者、または施設内の何らかの作業のために請負労働者を供給する者と定義されていることから、日本で問題になったような派遣労働者と請負労働者の区分けをする必要はありません。

正社員と派遣労働者の役割は明確にしておく必要があり、正社員と同等の仕事を派遣労働者に課すことは認められません。派遣期間は「永続的なものではないように」と規定されているにとどまり、2年継続した場合には正社員とするといったものはありません。このような背景を受けて、昨今、主に工場で多くの派遣労働者を雇っているという現状がはびこっています。中には半分以上が派遣労働者というケースも見受けられます。正社員と派遣労働者の役割を明確にし、派遣労働者から正社員に上がれるようなキャリアプランを提示することで生産性向上につなげる工夫が必要といえます。

以下本法律の概要を見ていきましょう。

〈適用企業〉
20人以上の労働者(workman)を、契約労働者として雇用し、または過去12か月のいずれかの日に雇用していたContractorおよびPrincipal employer。派遣先企業も登録の必要があるため注意が必要です。

〈Contractorの義務〉
・憩室、食堂、衛生的な飲料水、便所、手洗所、応急処置設備など施設の提供
・契約労働者が行う労働や賃金についてなど記録をとる
・賃金支払い、社会保険加入
・懲戒や解雇など
・派遣労働者への直接的指示

〈Principal employerの義務〉
・憩室、食堂、衛生的な飲料水、便所、手洗所、応急処置設備など施設の提供
・契約労働者が行う労働や賃金についてなど記録をとる

ただし、賃金支払いなどContractorが義務を果たさなかった場合はPrincipal employerがその義務を負う必要があり、かかった費用についてはContractorへ求償することになる。

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