インドにおける合弁進出とその後の付き合い方 その2

皆さん、こんにちは。
インド及びインド周辺国統括の小谷野勝幸です。

前回は、インドにおける合弁進出とその後の付き合い方における
経営面について紹介をさせて頂きましたね。

今回は、下記について事例と共に説明していきますね。

会計:資産の過大評価及び負債の過少評価について
人事・労務:評価制度について

【会計:資産の過大評価及び負債の過少評価について】
次に会計分野についても実例を挙げていきます。

合弁企業において、最もボトルナックとなるのがこの会計分野となります。
過去、合弁企業に対し弊社より内部監査等を行う際、通常会計は合弁先の
経営者及び会計担当と確認を行います。

その際、容易に資産の過大計上及び負債の過少計上を発見ことが出来ます。
例えば、下記のような事例があります。
・資産として倉庫を複数持っているはずが、実地調査では1か所のみ確認。
・売掛金確認状を送付した際に、金額の過大計上が発覚。
・合弁先のスタッフが、合弁前から結んでいた保守サービス義務を合弁後も
自動的に引き継いでいることが発覚。
・合弁時に提供された固定資産の評価が市場価格より高く、
かつ本来ないはずの支払残金の発覚。

原因としては、合弁の際の財務及び法務ドゥーデリジェンスの不徹底及び
合弁先の会計担当の成果物の定期的なチェック不足となります。

こういった背景もあり、分野を特定し行う短期で費用を抑えた内部監査の
依頼が多くなっています。又、会計全般及び内部統制、経営状況の確認を
徹底するものまで、企業様によって行う場合もあります。

【人事・労務:評価制度について】
最後に、人事・労務面での注意点となります。

インドでは、人件費の年間昇給率を最低10%という暗黙の基準があります。
基本的に昇給5%以下は、解雇通告と同様に捉えられています。

2012-13年度のJETRO発表では、日系企業での平均昇給率は、
12%となり基準以上の昇給を行っています。

インド人経営者では、10%以上の昇給、年1もしくは2回の賞与を
行うことは一般的となります。仮に全て合弁先に従い評価制度及び
昇給を行うことは、即コスト増につながります。

よって、内部監査とは別に職務分掌、評価制度、その後の昇給制度の
確認と改正が行われれば、最短で3カ月で社員の意識改善やコスト・
人員削減の早急な効果が期待できます。

2-3年前の好景気と比較し現在は多くの企業が厳しい局面を迎えています。
これは2014年の選挙後まで継続する予測ですので、仮に現状の組織体制の
見直し、人件費・人員削減、評価制度改定、これらに関わる削減コスト算出や
法律相談についてご質問や不明点について下記までご連絡頂ければと思います。

 

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