インドにおける間接税導入までの歴史

税務

間接税導入までの歴史

1 9 9 1 年の経済自由化路線以降、GDP の伸び率はおおむね堅調となっています。しかし、貧困対策や農村対策により歳出額の増加も目立ち、中央政府も州政府も恒常的に歳入不足の状況にあります。直接税と間接税の税収割合を見ると、間接税の割合が圧倒的に高く全体の7 割以上を占めています。直接税の割合が低いのは、就業人口の6 割が農業に従事する低所得者であるなど、所得税の納税義務者数が相対的に低いためと言えますが、もう一つ、国民の納税意識の低さもその原因として挙げられます。
インド政府は、国民の納税意識を向上させて直接税の歳入増につなげようと、これまでも時限立法として自主的申告納税制度を設けるなどの対策を講じてきましたが、今後は直接税の課税対象の枠組みや徴収方法についての改革を積極的に行っていく方針を示しています。
インドの間接税は、その複雑さから進出企業にとって大きな課題の1 つとなっていましたが、2017 年7 月1 日から導入された物品サービス税(GST:Goods and Services Tax)によって、その複雑さは軽減されました。
GST の導入前は、特にメーカーの場合、業種、拠点を設ける場所、流通経路などによって間接税の負担に違いが生じ、その結果、コスト負担が増え、価格競争力にも影響していました。
日本では、サービスやモノの売買については消費税のみが課税されますが、インドの場合、サービス、物品の売買、物品の移動といった課税対象や、中央政府、州政府といった課税主体ごとに異なる間接税が存在していました。インドの主要な間接税は、中央政府が徴収を行う中央税と、州政府が徴収を行う地方税に区分されます。

関連記事

ページ上部へ戻る