駐在員帰任後の全世界所得課税について

労務

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バンガロール支店マネージャー

坂本 佳代(さかもと かよ)

TEL: +91 91484 32351 / E-MAIL: sakamoto.kayo@tokyoconsultinggroup.com

 

皆さま、こんにちは。

バンガロール支店マネージャーの坂本です。

 

日頃お客様から寄せられるご質問につきまして、Q&A形式でお答えしていきたいと思います。

 

★質問内容

インドにおいて「通常の居住者」要件(下記、居住要件に全て該当)を満たす駐在員が帰任後、一定の期間、出張ベースでインドのオペレーションをフォローする場合においても「通常の居住者」の課税範囲である全世界所得が課税されるのでしょうか。

また、当駐在員の帰任後の出張についてはインド所得税が課税されないスキームについて良い案があれば教えて下さい。

【インド居住要件】※下記すべてに該当

-課税年度において60日以上滞在、かつ過去4年間において365日以上滞在

-過去10年間の間に2年以上居住者であった場合

-過去7年間にインドに滞在していた日数が730日以上

 

★回答

「通常の居住者」要件を満たす駐在員の方は、インドにおいて個人所得税の納税義務者に該当しますが、本件のような帰任後の駐在員が出張ベースでインドに来る場合、インド国内法よりも日印租税条約(Double taxation agreements)の二重課税回避の規定が優先されると考えます。

したがって、下記のような一定の要件を満たす場合は、帰任した後の期間については、本規定が適用され、インドにおいて所得税の納税・申告義務は発生しません。

 

【一定の要件】

①   課税年度においてインドに183日以上滞在しないこと(出張日数の合計が182日以内)

②   インド法人から給与の支払いを受けないこと

③   インド国内において行った労働に対する給与に関し、日本法人がインド法人に対し当該給与分についてデビットノート等を発行し、インド法人の負担としないこと

 

上記要件を満たす場合、過去にインドで居住者に該当していた場合であっても、

帰任後の全世界所得に対して、インド国内で個人所得税の納税・申告等を行う必要はないと考えます。

 

ただし、課税年度(帰任前の期間)においてインド国内で取得する所得が25万ルピー(免税限度額)を超える場合は、帰任日の属する課税年度については、インドにおいて納税・申告を行う必要がございます。

※これを回避するためには、支給額が免税限度額を超えない日程で帰任日をアレンジして頂く事となります。

 

※ただし、該当の駐在員様がインド法人の取締役に該当し、インド国内において役員報酬等を受ける場合は、上記の規定は適用されません。

 

弊社では、会計・税務、人事労務、行政の対応まで幅広くサポートを行っております。

個別のご相談等ございましたら、お気軽にお問合せ下さい。

 

東京コンサルティングファーム

坂本 佳代

 

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