Tokyo Consulting Firm Private Limited
ムンバイ駐在員
谷川 千裕(たにがわ ちひろ)
TEL: +91 7678007312 / E-MAIL: tanigawa.chihiro@tokyoconsultinggroup.com
皆様 こんにちは
インドムンバイ駐在員の谷川です。
ムンバイは段々暑さを増してきました。。皆さん夏バテにはご注意ください。
Q: High Sea Salesというスキームがインドではあると聞きました。どのようなものでしょうか?このスキームのメリットは何ですか?
A: 海外から物を輸入する際、それがインドの税関に到着する前にインド国内の顧客とHigh Sea Sales契約を結ぶことにより、国内での販売にかかるVAT/CSTの免税が受けられるというスキームです。しかし、実態としては実務上の煩雑さが問題となりこのスキームを取る企業は少ないと言えます。
まず、A社が海外のB社に対して発注書を送ります。B社が物品を発送し、請求書とBill Of EntryをA社に対して発行します。物品がインドの関税領域に到着する前にA社は顧客とHigh Sea Sales契約を締結します。そのため、B社は直接物品を顧客に発送し、B社はBill of Entryを自己の名前にて申告し、その購入価格にかかる関税を支払います。
この後、A社が顧客に請求をかける際に課税となるVAT/CSTについては、主に以下の書類を整備しておくことにより免税が受けられるようになっています。
・Bill Of Entry(顧客の名前での記載)
・High Sea Sales契約書
・A社に対するB社からの請求書
・物流会社のShipping Bill 等
このスキーム、マハラシュトラ州では航空便での搬送におけるHigh Sea Salesが認められておらず、後からムンバイセールス税当局から指摘を受け、追徴税が課されたというケースも見られました。一見、メリットのあるHigh Sea Salesですが、手続き等の煩雑さを十分考慮に入れる必要があると考えます。
今週は以上となります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
東京コンサルティングファーム
谷川 千裕
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