給与所得課税される経済的利益について

税務

皆さま、こんにちは。バンガロール支店マネージャーの坂本佳代です。

 

今週は、給与所得課税される「経済的利益」について解説させていただきます。

 

日本の所得税法と同様、個人所得税の対象となるのは、他の者から受ける経済的価値をいいます。この経済的価値には、対価性のない無償の経済的利益や金銭以外の経済的利益(権利、物など)も含まれ、勤務の対価としての性質をもっている限り、広く給与所得に含まれると解されます。

したがって、会社が従業員に支給する住居、個人利用のタクシー、駐在員個人の所得に対する個人所得税の支払いなどについてもこれに該当します。

ここでいう金銭による給与は、法律用語でMonetary perkといい、金銭以外の経済的利益は、Non monetary perkといいます。

しかしながら、このインド所得税法では、この金銭以外の経済的利益についての明確な定義付けがなされておらず、会社が従業員に代わり負担する個人所得税がNon monetary perkに該当するか否かについては、長年重要な議論となっておりました。

 

インド所得税法第10(10CC)項においては、この金銭以外の経済的利益について、個人所得から除外する旨を規定しています。そのため、本項の適用を受ける場合は、会社が負担した個人の所得税については、これが金銭以外の経済的利益と認められる場合は、個人の所得から除外することを容認しています。

 

ただし、あくまで2012年ウッタラカーンド高等裁判所の判決であり、多くの会計事務所では、今でも保守的に、複数のグロスアップ計算を行うループ課税による所得税計算を推奨しています。

 

個別のご相談については、お気兼ねなくご相談いただければと思います。

 

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バンガロール支店マネージャー

坂本 佳代(さかもと かよ)

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