Tokyo Consulting Firm Private Limited
Tokyo Consulting Firm Human Resources Private Limited
バンガロール支店 マネージャー
岩城 有香 (いわき ゆか)
TEL: +91 99-8033-7615 / E-MAIL: iwaki.yuka@tokyoconsultinggroup.com
こんにちは、インド大好き、TCFインド・バンガロール駐在員の岩城です。
日頃、お客様から寄せられる質問等につきまして、Q&A方式で回答させていただいております。今週は取締役についてのご質問です。
Q1:非公開会社(Private Limited)の場合、取締役の報酬はどの様に定めるべきでしょうか。
又、業績連動賞与などを導入している場合、取締役の報酬額も変動することになりますが、その場合は上限下限を定める等、どの様な表記方法で決議を取ればよいのでしょうか。
A1: インド新会社法上、非公開会社における取締役の報酬の決定方法については、年次株主総会AGMの開催は必要なく、個人の雇用契約書Appointment Letterにて確定されます。※公開会社の場合は異なります。
取締役の報酬について言及されている、新会社法 196条4項・5項については、非公開会社は該当致しません。又、161条には取締役会に取締役の決定権があると言及されておりますが、取締役の報酬について特記されている箇所はございません。よって非公開会社における取締役の報酬等について公的に制限するものは個人の雇用契約書のみと言えます。
又、取締役の報酬が変動する場合は、上限額を概算で見積もった上で、パーセンテージで表記する事が一般的です。
例: Fixed salary + % of Profit
Q2:インド人の社員に対する基本給を下げる事は難しいという認識をしています。
インド人の取締役に対し、取締役報酬という形で分離はせずに、基本給に含める形で役員報酬を支払っている場合、仮に取締役を解任すると給与の調整(減給)も可能でしょうか。又、インド人の取締役を解任する場合に、トラブルになった事例がありましたら教えて下さい。
A2:
1)インド取締役の給与の調整(減給)について
完全に「基本給」とのみ記載されている場合は、役員報酬が含まれていたとしても、調整(減給)は難しいと考えられます。
ただし、基本給の内訳の中に、取締役報酬と同様の項目が明記されている場合や、減給に対する正当な理由付け(景気の悪化・個人のパフォーマンスの低下 等)が出来る場合は可能であると考えられます。
3)インド人取締役解任時におけるトラブルとしては、以下のケースがあげられます。
・取締役退任辞令後、高額の給与を請求してきた
・会社の秘密情報を持ち出し、好条件で同業他社に転職された
・取締役退任辞令後、自ら退職し、社内で発生していた法令不備を当局へ通告した
等
高役職のインド人の降格・減給等は非常に慎重に行う必要がありますので、弊社ではインド人弁護士によるサポート等も対応しております。その他詳細についてはお気軽にお問い合わせ下さい。
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