Tokyo Consulting Firm Private Limited
デリー統括マネージャー
中村 匠吾(なかむら しょうご)
TEL: +91 9599458263 / E-MAIL: nakamura.shogo@tokyoconsultinggroup.com
皆さん、こんにちは。
今週も皆様から寄せられたご質問についてお答えしていきます。
では早速・・・
Q:
インドでは、ある一定規模以上の企業に対してCSR活動が課せられると聞きましたが、
適用要件や、CSRに認定される活動を教えてください。
A:
CSRに関する規定は2013年新会社法から盛り込まれました。
今週と来週にわたって、その中身をじっくり見ていきましょう。
・CSR委員会の設置要件
純資産Rs.50億以上
売上高Rs.100億以上
利益Rs.5000万以上
上記要件のうち1つでも満たす公開会社・非公開会社はCSR委員会を設置し、
直近3会計年度における平均純利益の2%以上(税引き前の額)をCSR活動に支出する義務を負います。
また、一旦基準を満たした会社は3年連続して上記要件を満たさなくなるまで、
CSRの義務が持続します。
つまり単年度において基準を満たさないからといってこれらの義務から免れるわけではありません。
・CSR委員会の組成
1の要件を満たす会社はCSR委員会の設置義務を負うこととなり、
取締役会を開催し、取締役3名以上から構成されるCSR委員会の結成を決議する必要があります。
また、取締役の少なくとも1名は、独立取締役でなければなりません。
ただし、独立取締役の選任要件を満たさない非上場公開会社又は非公開会社においては必ずしも選任義務はなく、
取締役の数が2名の非公開会社は、委員会を構成する取締役数も2名となります。
・CSRに認定される活動
貧困、飢餓改善
予防医療と講習衛生促進
教育推進
男女平等促進
社会的弱者救済
環境改善への貢献
芸術及び文化の保護
スポーツ推進
地方発展プロジェクト
Prime Minister`s National Fundへの寄付
注意点としては、CSRに認定されない活動の規定があることです。
例えば、会社が法令上の義務を遂行する上で必要な活動や、政党に対する寄付、マラソンや広告、TVプログラムのスポンサー契約などの一過性イベントは認定されません。
また、インド国内で行われた活動に係る費用のみがCSR活動費用として認められます。
本日は以上です。
東京コンサルティングファーム
中村 匠吾
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