~インドにおける棚卸資産の評価方法、原価計算の仕組み~

皆さん、こんにちは。
チェンナイ駐在員の中村です。

今週はお客様から実際に頂戴したご質問に回答していきたいと思います。

【質問】
インド子会社における棚卸資産管理や原価計算の仕組みを整備したいと考えています。
その中でインドと日本の会計処理の違いについて、下記3点教えてください。

①インドの棚卸資産の評価方法は何種類ありますか
②標準原価計算を導入しようと思いますが、インドにおける期末の比例費差額の調整、固定費調整の仕方を教えてください
③低価法、長期滞留品の評価方法について、日本とインドで違いがありますか

【回答】
まずは①の回答になりますが、インドにおける棚卸資産の評価方法は、下記3種類があります。
・先入先出法
・後入先出法
・加重平均法
業種によっても変わりますが、一般的には加重平均法を採用している企業が多く見受けられます。

お次は②の標準原価計算に関する回答ですが、インドでは総所得-総支出で税引前当期純利益が一気に算出されるため、標準原価計算上の営業利益を実際原価計算の営業利益に一致させる考え方がありません。
そのため、固定費調整の計算方法もなく、全て実際発生額で計算します。
もちろん、社内的に標準原価計算を採用する企業はありますが、
公表する財務諸表は実際額での記入となるため、調整方法などの確認は定められておりません。

③の低価法、長期滞留品の評価方法についてですが、
インドでも日本と同様に年度末の在庫時価が帳簿価格を下回る場合、時価に評価金額を付け替えます。
ちなみに、日本では滞留在庫(過剰在庫)に対して、滞留在庫引当金を計上するケースがありますが、インドでは行いません。評価替えによる会計上の損益増減は法人税計算上でも認められます。

今週は以上となります。

 
Tokyo Consulting Firm Private Limited
チェンナイマネージャー
中村 匠吾(なかむら しょうご)

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