パラダイムは双方向に進化する、時代遅れのオクトロイ

プネオフィスの駐在員の今西です。昔読んだ本で「インポッシブルシンキング」という本の中でタイトルのフレーズ「パラダイムは双方向に進化する」という言葉が載っていました。簡単に言うと、パラダイムシフトが起きても単に新しい価値観や物だけが出てくるわけではない、古い価値観や物も同時に存在し続けるということです。

 

例えば、皆さんはプリンターを使っていますよね、スキャナーも使っていますよね、本当に便利です。しかし、例えば上司からの指示やミーティングではノートとペンを使っていると思います。つまり、古いノートとペンが、PCが当たり前の世の中でも大活躍してくれているわけです。まさしく双方向ですよね。

 

さて、やや我田引水な印象もありますが、マハラシュトラの税制でも同じ様な現象が起きています。

 

最近、インドの税務申告を経験しました。もうオンラインでの税務申告が一般的でフォームITR6をオフラインで作成し、出来上がったファイルを電子署名や登録したPANナンバーと一緒にアップロードすれば良いようです。インドもなかなかユーザーフレンドリーな制度を構築しようとしているみたいだと思いました。

 

しかし、このオンライン手続きが一般化しつつある中でマハラシュトラには、ドライバーがその都度、現金払いをしている税金があります。そう、「オクトロイ」です。私はこの話を聞いた時に、インド人会計士の前で、ミーティング中であるにもかかわらず、大笑いをしてしまいました。その会計士も一緒になって笑っていました、明らかに時代遅れですよね。(実際のところは、現金払いもあるものの、ディマンドドラフトや銀行口座を登録し月ベースで精算という方法もあります)

 

では、なぜオクトロイが撤廃されずに存在しているのかという点ですが各自治体の重要な財源になっているからです。インドはご存知の通り中央政府があり、州があり、自治体があるという3層構造になっています。中央政府については関税、サービス税、所得税、物品税、中央販売税という様に財源は幅広いです。州も同じく、中央政府からの財源移譲に加え、州付加価値税、教育目的税、酒類に加算される州物品税という様に財源は豊富です。

 

しかし、その下にある自治体の財源は脆弱です。50万人以上の人口で構成される自治体はMunicipal Corporationと言われ、オクトロイが徴税できます。しかし、それ以下のMunicipalityと言われるエリアは、ストリートタックス、プロパティータックス、ウォータータックスしか財源はありません。したがって、この状況でオクトロイを撤廃した場合には自治体には財源と言える財源がほとんどない事になります。つまり、無くすに無くせないという状況にあります。

 

日本人にとっては馴染みがない、古臭く感じてしまう税金でも、地元の方にとってオクトロイは結構身近なもののようです。実際私が使っているタクシーサービスのドライバーの方に、ここってオクトロイの範囲外ですかと聞いてみたところ、「チャカンはオクトロイの範囲外だ」と答えました。

 

実際、チャカンはオクトロイの範囲外ですので大正解というわけです。また、不動産屋もオクトロイの範囲を意識して、貸し工場の情報提供をしてくれていました。さすがは地元民だけあるなと感心したと同時に、結構身近な税金なのだなと思ったことを覚えています。

 

オクトロイについての詳細は紙面の都合上、説明できませんがマハラシュトラに進出されるに当たっては、その範囲、税率、納税方法をきちんと理解されておく事を強くお勧めします。なぜなら、ビジネスが軌道にのって扱うロットが大きくなれば大きくなるほど負担が重くなり、流通コストの負担増につながるからです。

 

もし、オクトロイについてご質問やご関心があるようであれば、是非、是非、弊社プネオフィスの今西までご連絡下さい。メールでもお電話でもご相談承ります。

 

営業もほどほどに、今回はこれで以上とさせていただきます。

 

TCF プネオフィス

今西政文

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