インドでビジネスマナー講座その10

皆さんこんにちは。グルガオンオフィスの中道です。
前回のビジネスマナーは仕事の段取りについてお話ししました。今回は時間の使い方についてお伝えします。

ある日、インドで地震が起きました。インドでは地震はめずらしく、私は地震そのものというよりも、耐震構造になっていない建築の方が恐かったです。ちなみに弊社の事務所のある建物は吹き抜けの天井にテレビスタジオのようなぶら下がり照明があり、ちょっとした地震でもその照明がブラブラ揺れるのです。ワイヤーが切れたら大事故です。

その日地震はすぐおさまったのですが、インド人達の動揺はおさまらず、廊下にも庭にもインド人が溢れていました。地震直後はもちろん、1時間たっても仕事をせずにただ庭でおしゃべりをしたり、いつでも逃げられる入り口付近で、涼んでいるのです。その後サイバーシティへミーティングに行く途中も、サイバーシティ内も同じ光景が見えました。驚くべきはミーティングを終えた後もまだエントランス付近に屯しているのです。すでに地震から3、4時間経過していました。このまま就業時間になり、この人たちは今日すべきだった仕事をせずに帰る気なのだろうと考えました。果たして工場の方はどうなのだろうと気になりました。同じように工場もストップしていたとしたら……軽度の地震でその日インドはどのくらい経済損失したのでしょう。日本人がコントロールして、真面目に仕事するよう促していたら別ですが、インド人だけの組織で地震を迎えるといつまでたっても仕事をしないままだったかもしれません。

ここから見えるのは時間がお金であるという意識の薄さと自分のやるべきことへの責任感の薄さです。当社でもインド人スタッフが地震があった直後逃げようと一部エントランス付近に避難しました。ただしばらくして、地震が再度起きないことを確信したのか、戻って仕事をし始めたのです。いつまでもエントランスにいるインド人と当社のインド人は何が違うのかについて考えてみました。

当社では毎朝30分間「できる若者は三年で辞める!」の英語版“THE REAL EMPLOYEE”SATISFACTION”という本でディスカッションをしています。その本の内容には経営者や管理者の心構えや仕事の本質について書かれており、自然と目標達成の重要性や責任感の大切さ、プロ意識等がすり込まれていたのかもしれません。中には日本人に怒られるというような危機感などで判断している人間もいたかもしれませんが、結果として真面目に働いてくれたと言うことは確かです。

教育は日々の積み重ねです。日常の中では見えにくいかもしれませんが、こうした時に垣間見える他社のインド人との違い、それを発見して褒めることによりインド人達も自分たちが正しいことをしている自覚が芽生えます。

時は金なり。全ての仕事は対価を得ます。こんな基本的なことを教えずして生産性を上げたり、時間を短縮したりできるでしょうか。教育は順番が大切。仕事の基礎をしっかり伝えることが他社の社員との差別化を生みます。時間はかかりますが、地震をきっかけに社員の成長を感じた一日でした。

以上

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