【インド税務】最高裁、本社管理費の損金算入をSection 44Cで制限


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東京コンサルティンググループインド拠点の北岡 光里です!

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さて、今回は「【インド税務】最高裁、本社管理費の損金算入をSection 44Cで制限」についてお話していこうと思います。

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【インド税務】最高裁、本社管理費の損金算入をSection 44Cで制限

 

概要
2025年12月15日、インド最高裁は、海外本社を有する外国企業がインドで事業を行う際、海外本社で発生した本社管理費(Head Office Expenditure)をインドの課税所得から控除する場合の取り扱いについて判断を示しました。
本判決では、当該費用が所得税法上の「本社管理費」に該当する限り、所得税法第44C条に定める控除上限が適用され、一般規定(第37条)に基づき全額を控除できないことが示されました。

 

判決のポイント
本社管理費とは、海外本社側で発生する経営・管理目的の費用を指し、具体的には人事・経理・法務・経営企画など、企業全体を統括する機能に係るコストが含まれます。
最高裁は、これらの費用について、インド事業向けに専属で支出されたものであっても、「本社管理費」に該当する以上、所得税法第44C条 の適用対象となるとの判断を示しました。

 

Section 44Cの概要
所得税法第44C条は、非居住者がインドで事業を行う場合に、海外本社で発生した管理費をインドで費用計上する際、控除可能額に上限(キャップ)を設ける特別規定です。
一般的には、

インド事業の「調整後所得(Adjusted Total Income)」の5%

実際にインド事業に帰属するとされる本社管理費
のいずれか少ない金額が控除上限となります。

 

一般規定(Section 37)との関係
所得税法第37条は、事業のために支出された費用を原則として損金算入できると定める一般規定です。
本件では、「第44C条の上限を超える部分について、第37条を適用して全額控除できるか」が争点となりましたが、最高裁は第44C条が本社管理費を対象とする特別規定である以上、第37条を用いて制限を回避することはできないと結論付けています。

 

日本企業への実務的影響
日本企業のインド事業においては、本社が提供する人事・経理・法務・経営管理等の支援機能に係る費用を、インド拠点へ配賦する実務が広く見られます。
特に、インド支店や恒久的施設(PE)として課税対象となる場合、本社管理費の性質や配賦根拠が税務調査で厳しく確認される可能性が高まります。

 

まとめ
本判決により、海外本社で発生した管理費については、インド事業専用であっても所得税法第44C条の控除上限が適用されるという解釈が最高裁レベルで確定しました。
インドで事業展開を行う企業においては、

①インド拠点の法的・税務上の位置付け(子会社/支店/PE)の整理、

②本社から配賦している費用の性質分類、

③配賦基準や契約書、説明資料の整備

を行ったうえで、想定される税務コストを踏まえた設計・運用を行うことが重要です。

 

本日は以上になります。
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