ベトナムQ&A 住宅法改正について

皆さんこんにちは。東京コンサルティング・ベトナムの山口です。

 

Q

住宅法改正により、外国組織や外国人に対する制限が緩和されると聞きましたが、その主な内容を教えてください。

 

A

201411月に国会にて、改正住宅法(No.65/2014/QH13)が承認され、現行の住宅法(No.56/2005/QH11等)により定められていた外国組織および外国人に対する住宅制限が、201571日より一部緩和されることとなります。

 

主な改正点としては以下の通りです。

 

1、所有対象者

<個人>

現行法:「ベトナムに居住する者で1年以上の居住証明を保持する者」かつ「直接投資を行っている者、事業を行っている企業の経営者等、特別貢献者、ベトナム人の配偶者、および専門分野で勤務する専門家や技術者など」

改正法:ベトナムへの入国許可を受けた者

 

<外国組織>

現行法:不動産事業に従事しない投資許可証を保持する外資企業

改正法:投資許可証を保持する外資企業、外国企業の支店・駐在員事務所、外資ファンド、外国銀行の支店

 

2、所有可能な物件および物件数

現行法:「コンドミニアム」を「1物件のみ」

改正法:「コンドミニアムおよび戸建て」(※)

 

 物件数について明確に規定はなく、今後の動向に注意が必要です。

 

3、所有期間

現行法:最長50年

改正法:最長50年。但し、延長可。

 

※外国組織については、投資許可証の残存期間を超えることはできません。

 

4、使用目的などの制限

現行法:居住目的のみ。リースは禁止。

改正法:当局へ事前通知し、納税等を行えばリースが可能(※)。また、担保設定や贈与、譲渡、および相続などは可能。

 

※個人所有の場合のみ可、外国組織についてはリース不可

 

5、所有比率

現行法:規定なし

改正法:コンドミニアムの場合には、集合住宅1棟あたり30%まで。戸建ての場合、1つの区域あたり250戸まで。

 

今回の法改正により、外国人の住宅所有が緩和され、今後の不動産業界の市場活性化が予想されます。また、ホーチミン周辺では、日系企業による集合住宅や戸建て住宅の建設などが増えてきています。

しかし、運用面ではいまだ詳細が明らかではなく、今後の動向に注視していく必要はあるでしょう。

 

 

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