皆さま、こんにちは。
4月よりタイに赴任いたしました安藤と申します。
今回は、タイの会計基準「TFRS for NPAEs」に焦点を絞ってお話ししたいと思います。
TFRS for NPAEs(Non-Publicly Accountable Entities)とは、タイ会計基準において公的説明責任を有しない企業、つまり非公開企業向けと言われている基準です。
ちなみに、タイ会計基準にもう1つ存在するTFRS for PAEs（Publicly Accountable Entities)があります。これは、公的説明責任を有する企業、つまり上場企業向けの基準となります。
このPAEsとなる企業は以下の要件を満たしている必要があります。
- 負債証券、又は株式が公開市場（国内または海外の証券取引所、国内又は地域市場を含む店頭取引市場）において取引されている、もしくは、公開市場においてなんらかの金融商品を発行する目的で財務諸表を証券委員会又は、その他の規制機関に登記している、または、登記準備中である法人
- 金融機関、保険会社、信託、投資信託等、特定の法令に従い公的資産に関する事業を行っている法人
- 公開企業法に規定された公開企業である法人
- その他通知された法人
上記の要件に当てはまらない企業は、公的説明責任を有しない企業となり、TFRS for NPAEsの会計基準を採用します。
このNPAEsは、全21章・計390項からなる、タイ独自の会計基準となっています。
継続企業の前提および発生主義会計をベースにして、税効果会計、従業員給付やデリバティブ等の複雑な項目に対して言及していません。
会社法でNPAEs基準の企業へ作成が求められている財務諸表は以下です。
・財務状態計算書
・損益計算書
・株主持分変動計算書
・財務諸表の注記
これら上記4つを1組とし、少なくとも年に１度は報告しなくてはなりません。
作成が求められていないものは、以下となります。
・キャッシュ・フロー計算書（TAS第7号の任意適用が可能）
・連結財務諸表（TAS第27号の任意適用が可能）
・関連当事者についての開示（TAS第24号の任意適用が可能）
・税効果会計（TAS第12号の任意適用が可能）
・デリバティブ取引
・機能通貨
・包括利益計算書
その他にも細かい規定がございますが、今回はここまでといたします。
ご不明なことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今週も読んでいただき、誠に有難うございます。
本グログがご活躍される駐在員の皆様、および今後進出をお考えの皆様の一助となれば幸いです。
次回もどうぞ宜しくお願い致します。
株式会社東京コンサルティングファーム タイ拠点
安藤 朋美
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