タイで使う会計基準はどれ?

 

皆さま、こんにちは。
4月よりタイに赴任いたしました安藤と申します。

今回は、結局タイで会計基準ってどれを使えばいいの?という疑問にお答えしたいと思います。

 

TASとかIFRSとか、色々な省略が多くて、結局のところよくわからないということもあるのではないでしょうか。
でも、今更なかなか聞くことができない。。。ということで“初心者向け”でお話ししたいと思います。

TASは「タイ会計基準」です。この会計そのものが昔はベースが米国会計基準となっていたのですが、近年は国際会計基準がベースとなってきています。

そして、このタイ会計基準(TAS)は、適用対象企業によって基準が2つ存在します。

1、TFRS for NPAEs(Non-Publicly Accountable Entities)
2、TFRS for PAEs(Publicly Accountable Entities)

なので、イメージすると下記にような図になります。

 

1つ目の「TFRS for NPAEs(Non-Publicly Accountable Entities)」は、公的説明責任を有しない企業、つまり非上場企業向けの基準です。
2つ目の「TFRS for PAEs(Publicly Accountable Entities)」は、公的説明責任を有する企業、つまり上場企業向けの基準です。

多くの在タイ日系企業は、1つ目のTFRS for NPAEsを適用しています。
もちろん、TFRS for PAEsを適用することも可能です。
しかし、TFRS for PAEsはTFRS for NPAEsより内容が多いため、あえて採用するメリットはあまりありません。したがって、TFRS for NPAEsを適用しているケースがほとんどです。

 

そして、タイ会計基準はIFRSに準ずるものとして作成されましたが、この2つの基準では少し異なります。
TFRS for PAEs:ほぼ主要なIFRS基準としている
TFRS for NPAEs:タイ独自の会計基準

TFRS for NPAEsは、継続企業の前提および発生主義会計をベースにしながら、非上場企業の実務的負担を配慮して、税効果会計、従業員給付やデリバティブ等の複雑な項目には言及していません。

余談ですが、最近「TFRS for SMEs」という中小企業向けのIFRSをベースとした会計基準が発表されていました。しかし、タイ国会計士連盟(FAP)が2017年7月5日に適用案は取り下げ、適用要件や中身を再考する旨を発表しました。

したがって、今後、TFRS for NPAEsから会計基準が変わる可能性も大いに考えられます。

 

以上をまとめると、
・タイ会計基準には2つの基準があり、対象企業によって異なる
・TFRS for NPAEsは、非上場企業向けの基準。しかし、タイ独自の会計基準
・TFRS for PAEsは、上場企業向けの基準。ほぼ主要なIFRS基準に準じている
・TFRS for NPAEsにかわるIFRS基準に準ずる会計基準が今後発表される可能性あり

ご不明点がございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

 

今回は以上と致します。
今週も読んでいただき、誠に有難うございます。
本グログがご活躍される駐在員の皆様、および今後進出をお考えの皆様の一助となれば幸いです。次回もどうぞ宜しくお願い致します。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム  タイ拠点
安藤 朋美

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2019-10-23

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