皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ シンガポール拠点の田中 勇です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「ディプロマティッククローズとは?~駐在員の帰任の際の住居退去時の注意点~」についてお話していこうと思います。
目次
【ディプロマティッククローズとは?~駐在員の帰任の際の住居退去時の注意点~】
シンガポールでは、イギリスのコモンローの影響を受けていることから、契約主義的な側面が大きく、明文化されている法律よりも、当事者間での
契約の効力が優先されます。従って、当事者間での交渉の余地が多いにある点、日本とは異なります。ただし、それでも賃貸借契約においては、家主の権力が非常に大きいという点、予め留意が必要です。
特に日系企業と、その駐在員の住居の賃貸契約をするコンドミニアムの家主との間でトラブルになりやすい点は、契約満了前の早期解約の違約金の支払いに関してです。
1.コンドミニアム等の住居の契約
家主により異なりますが、基本的には2~3年単位での賃貸契約が一般的です。原則として、途中退去をすることは許されず、退去する場合は残りの賃料の合計の支払いを要求されることが殆どです。(但し、変わりの入居者を今の賃料と同額もしくはそれより高い条件で見つけてくることができた場合は、その限りではなく、Novation Agreement(権利移転契約)の締結により退去が許されます。)預けていた2~3か月分ほどのSecurity Deposit(保証預入金)から補填されてしまいます。
また、契約の満了のタイミングで退去する場合でも、通常Notice(通知)を2~3か月前には行う必要があります。エージェントがマーケティング活動を始め、契約の切り替わりと同時に、次の入居者が来れるようにするためです。
日系企業では、突然の帰任を命じられることも多く、上記の条件は殆どの場合非常に厳しいものでしょう。
2.ディプロマティッククローズとは
そのような事情を考慮した特別な規定が、ディプロマティッククローズです。これは、外国人駐在員が会社の都合によって帰任することになった場合、契約期間満了前の、途中退去が許可されるというものです。但し、それでも数か月前の通知や、最低1年間の入居等の条件が付され、完全に入居者側に有利な形とはならないので注意が必要です。
賃貸契約締結時に、事前に内容をよく確認しておく必要があります。
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株式会社東京コンサルティングファーム シンガポール拠点 田中 勇
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