VAT(付加価値税)について②

税務

こんにちは。フィリピン駐在員の田辺です。

マニラでは長く続いた豪雨もようやく落ち着き、晴れ間の見える日が多くなってきています。陽が射せばさすがに熱帯気候ともあって容赦なく暑く、一時期の涼しさが嘘のようです。
先週末、提携先・会計事務所の若い子たちとバスケットボールをしました。マプア大学の屋外コートを借りて、私としてはほぼ10年ぶりにバスケットボールをしたわけですが、みんな若く、非常にはつらつとした動きをしており、非常に気持ちよくプレーすることができました。フィリピンのホスピタリティあふれる国民性の表れなのか、ファールはほぼ自己申告制でした。「ファールしました!」と自ら申告し、プレーを止めて相手にボールを渡す。「ごめんね」と一言かわしてプレー再開。なんとも、楽しいひと時でした。

さて、それでは前回に引き続き、VATについて話させて頂きます。

●VATの免除
前回のブログで述べた非課税取引とは別に、以下のような物品及びサービスについてはVATが免税(0%対象取引)となります。

【VAT免除取引】
・輸出取引
・年間生産高の70%以上が輸出売上である輸出業者に対する売上
・中央銀行への金の販売
・国際運輸サービス

●課税標準額
VATは、関連する課税標準額にVATの税率を乗じて計算されることになります。
一般的に、課税標準額は当事者間で合意された取引価額となります。つまり、製品の販売やサービスの提供について、受領する価格を意味します。

●納付税額の計算
納付すべきVATについては、アウトプットVAT・インプットVATの差額で算出されます。売り手は、課税商品や課税サービスを販売した際、買い手にVATを請求します。このVATは、売り手の立場からはアウトプットVAT(仮受VAT、売上VAT)となります。毎月受け取ったアウトプットVATから、支払ったインプットVATのうち、控除可能なVATを控除した差額を納付することになります。これを「控除方式」と呼びます。

【VAT計算の流れ】
買い手は、課税商品や課税サービスを購入した際、売り手にVATを支払わなければなりません。これは買い手の立場からは、インプットVAT(仮払VAT、仕入VAT)となります。
購入した課税商品や課税サービスが、買い手の事業に関連している範囲の場合、このインプットVATは買い手のアウトプットVATと相殺できます。同様に、売り手もアウトプットVATと課税商品や課税サービを購入した時に支払った、インプットVATとを相殺することができます。
以前はインプットVATはアウトプットVATの70%を超えて控除することは認められていませんでしたが、現在は、インプットVATの全額を控除することができます。

●申告・納税
1カ月間のアウトプットVATの累計額が、同じ期間のインプットVATの累計額を上回った場合、納税者は各月末から20日以内にその差額、すなわち超過分を申告・納付する義務があります。
さらに、四半期ごとに、VATの四半期申告書を提出しなければなりません。各四半期末の翌月25日が申告の期限となります。また、四半期売上高(VAT除く)が2,500,000万ペソを超える事業者は売上サマリーリストを、四半期の仕入高が、1,000,000ペソを超える場合には、仕入サマリーリストを、申告書とは別に作成して、各四半期末の翌月25日までに提出しなければなりません。これらの義務を怠る場合には、ペナルティが課されることになるため、注意が必要です。
※歳入細則第1-2012号により、全ての納税義務者が対象となりました。

補足になりますが、VATの対象にならない旅客業者や娯楽業については、VATの代わりに総収入額に対して業種ごとに定められた税率を乗じて計算したパーセンテージ税が課されます。

今後とも、宜しくお願い致します。

以上

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