TTRA(日比租税条約適用申請)について

税務

こんにちは、フィリピン駐在員の大橋です。

 

今週のブログは、フィリピンにおけるTTRA(日比租税条約適用申請)ついてお伝えします。

 

進出企業の大きな目的は、フィリピンという新市場での利益の創出です。

そして、進出国で稼いだ利益をいかに本社へ利益還流するかも重要な検討事項となりますが、

その際には、フィリピン国内での税金だけでなく、国をまたぐ国際間取引においても、フィリピンで稼いだ利益に対して税金が発生することを事前に考慮しておく必要が御座います。

 

具体的には、サービスフィー・配当・利子・ロイヤルティなどに対して、フィリピンで源泉徴収する義務があります。

そこで、日本とフィリピンでは、両国での2重課税を防ぐことを目的として、日比租税条約を締結しています。

上記適用申請することによって、配当の場合には基本税率が30%→10%又は15%へと軽減されます。

 

しかし、実務上は、フィリピンにおける租税条約適用申請(TTRA‐Tax Treaty Relief Application)は、従来から非常に煩雑であり、日本側で定款や履歴事項全部証明書の英語訳や公証認証といった必要書類や事前申請に関する厳格なルールが運用されるようになって以降、申請企業にとってTTRAが大きな負担となっていました。

 

加えて、BIRの国際租税課(ITAD)に租税条約適用の申請を行った後もBIR内部での審査プロセスが遅々として進まず、BIRからの証明書原本やルーリング(個別裁定)の発行まで数年間かかるケースもあるなど税務当局における運用面でも多くの問題が生じていました。

 

BIRは、こうしたTTRAに関する各方面からの継続的な改善要望も踏まえ、従来のTTRA手続きを改正するRMO No.8-2017 を公表しました。

これにより、配当、利子、ロイヤルティの3所得項目に関してのみですが、従来のTTRA手続が簡素化されることになりました。

 

TTRA手続きの簡素化については、次回お伝えさせて頂きます。

なお、項目や税率には変更がありません。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

以上

 

関連記事

ページ上部へ戻る