こんにちは、フィリピン駐在員の大橋です。
今週のブログは、2018年に施行された税制改正(TRAIN)についてお話しします。
2017年までは、多国籍企業の地域統括会社(RHQ)や地域経営統括会社(ROHQ)、オフショア銀行(OBU)、石油開発関連企業などの外国人従業員については、個人所得税について累進課税ではなく、1律15%という税率による優遇税制が適用されていました。
しかし、2018年の税制改正により、当該RHQ等における個人所得税の優遇措置が撤廃されることになりました。
つまり、2018年以降は上記に該当する全ての従業員は、フィリピン居住者及びフィリピン国籍の非居住者と同様に年間課税所得が250,000phpを超える納税者は20%~35%までの累進課税が適用されます。
実務上の手続きは、毎月の源泉税については、他の形態の従業員と同様に、雇用主が、給与源泉徴収税(Withholding Tax on Compensation)を毎月の給与支払い時に源泉徴収し、BIR Form 1601Cにて毎月翌月10日までに申告納付を行います。
ただし、電子申告(eFPS filing)を行っている企業は、業種によって11日~15日以内が期限となります。
なお、年度末である12月分については、翌月15日が納付期限となります。
また、雇用主は課税年度終了後の1月31日までに、源泉徴収票を従業員に交付するとともに、源泉徴収の総括表(BIR Form 1601CF及びAlphabetical list)をBIR(税務署)に提出しなければなりません。
最後に、昨年9月より弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
上記のようなフィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立、法務、税務、会計、労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。
今週もどうぞよろしくお願い致します。