こんにちは
Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。
【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.109<フィリピン移転価格税制に関連する新ルール発表!-Part.4>
今最もホットなフィリピン移転価格税制をテーマに記載していきます。
今回は、「関連当事者の定義」について触れていきます。
関連当事者については、個人・法人ともに対象となり、具体的な定義は、新ルールである歳入規則(RR No. 19-2020)にて、関連当事者の定義が定められています。
<関連当事者の定義>
■個人の場合
1)報告企業に対する支配又は共同支配を有している
2)報告企業に対する重要な影響力を有している
3)報告企業又は報告企業の親会社の経営幹部の一員である
■法人の場合*一部抜粋
1)当該企業と報告企業が同一のグループの一員である
2)関連会社又は共同支配企業
3)双方の企業が同一の第三者の共同支配企業である
4)一方の企業が第三者の共同支配企業であり、他方の企業が当該第三者の関連会社
また、RRNo.19-2020では、関連当事者との取引の開示に関して、フィリピンの財務報告基準であるPAS 24号の規定を厳格に適用することを求めていることから、 それに準じて「経営幹部」とは、企業の活動を直接・間接に計画し、指示を行い、支配する権限及び責任を有する者(企業の取締役(業務執行権がある者もそれ以外の者も)を含む)だと想定されます。
なお、仮に上記の関連当事者との取引がない場合でも、毎年Form1709の提出は必要となりますので、ご留意ください。
以下、移転価格に関する規則の概要です。
2013年の「移転価格ガイドライン」、2019年8月の「移転価格調査ガイドライン」に続き、2020年7月8日付の歳入規則(RR No. 19-2020)で、「関連当事者間の取引情報の詳細を記載する」新BIRフォーム1709の導入が発表されました。
当該規則は2020年7月25日より有効になっております。
今後は、納税者(全ての日系フィリピン子会社)は同フォームに必要情報を記載し、移転価格文書を含む必要書類を年次法人税申告書に添付し、BIR(税務署)への提出が義務付けられます。
従来は、移転価格文書の提出は求められておらず、非常に大きなルール変更といえます。
本規則は、税務申告を実際に行った日に関わらず、 2020年3月31日決算企業から対象となります。
3月末決算企業は、BIRフォーム1709・移転価格文書その他添付書類の提出期限は、2020年9月30日です!
現時点で移転価格の対応が進んでない又は検討中の企業様は、弊社にご相談下さい。
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Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也
2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。