2020年、社会保険料負担の増額?!~PhilHealth保険料改定~

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。

 

【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】

No.85<2020年、社会保険料負担の増額?!~PhilHealth保険料改定~>

 

今回は「フィリピン医療保険制度PhilHealthの保険料改定」についてです。

 

2019年11月23日にフィリピン健康保険公社(通称PhilHealth:Philippine Health Insurance Corporation)から保険料変更に係る通達が公表されました。

 

本通達に伴い、2020年1月より、保険料率等が引き上げられることになりました。

 

現在、PhilHealthの保険料の負担は労使折半となっており、規定のテーブルに基づいて算出され保険料の半分を雇用者、残りの半分を被雇用者が負担となります。

よって、今回の保険料引き上げにより、企業側にとって社会保険料負担が増え、コストアップとなる点ご注意ください。

 

今回の変更点は、主に2つあります。

 

  1. 保険料率の上昇

2019年:2.75%→2020年:3.00%

それ以降は毎年0.5%ずつ引き上げられ、2024年に5.00%まで上昇

 

  1. 報酬月額上限の増加

2019年:50,000ペソ→2020年:60,000ペソ
それ以降は毎年10,000ペソずつ引き上げられ、2024年に100,000ペソまで増加

 

また、月収が10,000ペソ以下の被雇用者の場合、テーブルの報酬月額下限である10,000ペソに基づいて算出し、また月収がテーブルの報酬月額上限を超える場合には、保険料はテーブルの報酬月額上限に基づいて算出されます。

 

なお、保険料テーブル(保険料率、報酬月額上限)は2025年まで記載があり、それ以降の年は、改めて見直しがされるものと想定されます。

 

 

以下、PhilHealth保険料の新テーブル(2019年~2025年)となります。

今回の保険料変更は、ユニバーサルヘルスケア制度構築に向けた財源確保が狙いだと考えられます

*ユニバーサルヘルスケア制度とは、2019年2月20日にユニバーサルヘルスケア(UHC 国民皆保険法)が成立し、フィリピン政府は、国民全員が適切な予防、治療、リハビリ等のサービスを必要なときに支払い可能な費用で受けられる体制の構築のこと

 

最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。

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今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也

2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。

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