皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファーム・フィリピン支店の伊藤澄高と申します。
今週はCMTA(税関近代化・関税法)について記載していきたいと思います。
フィリピンではTCCP(Tariff and Customs Code of Philippines)という関税法が従来まで運用されていました。この法律が1957年発行されてから定期的に更新されておりましたが1978年を最後に更新が止まり、すでに内容が古くなっているため、実務との差異が問題となっております。
このことを受けて、TCCPについては全面的に廃止する事として、新たにフィリピンの関税・税関制度を国際的な水準に合わせるものとして、CMTAが制定されることになりました。CMTAの制定により、輸出入プロセスの短縮化、通関業務におけるキャッシュレス化、匿名化及び積み荷の電子化、密輸の数を減らすなどを期待されています。
CMTAはフィリピンの税関と関税制度の大枠を作っているのみに過ぎず、実際の運用にかかわる細かい規則については財務省と投資委員会(Board of Investment)から編成されるメンバーが施工規則を作成しています。
CMTAで規定されている内容については以下となります。
1. NGO法人を通じて被災地の人々に物品(飲食料、設備など)の寄付する場合には輸入にかかる付加価値税や関税については免税されるという事が規定されました。
2. CMTAの効力が発生してから2年以上経過している場合は、輸入申告は輸出入者(ブローカーも含む)だけではなく、輸出入者から権利を委譲されたものが申告することができるようになりました。
3. 国際宅配業者、郵便局などの輸入は物品についてかかる免税輸入対象額がこれまでは10ペソでしたが10,000ペソに増額しました。
4. バリックバヤンボックス(フィリピン向けの国際宅配便)の免税限度額が10,000ペソから150,000ペソに増額されました。また、海外で働くフィリピン人が帰国する際に海外滞在年数で免税限度額が決まります。6か月以上5年未満であれば150,000ペソ、5年から10年までは250,000ペソ、10年以上は350,000ペソとなっております。
5. 消費財は正式な手続きを踏んで輸入申告をするのですが、以下の場合は例外となります。
l FOB(Free on board)/FCA(Free Carrier)の条件のもと、取引している50,000ペソ未満の物品
l 家財や物品であり、商業用に大量にあるわけではなく、乗客の手荷物、郵便で輸入するもの
3~5番については3年ごとにフィリピン統計局の消費者物価指数に基づいて3年で見直しがされることが規定されております。CMTAのルールを破った場合、300,000ペソ以下の罰金及び1年以内の禁固刑、外国人の場合は本国へ強制送還されることになりますので、注意が必要です。
以上となります。
今週も、どうぞよろしくお願い致します。
弊社では、フィリピン進出から進出後の会計、税務、人事および労務まで
すべて対応しております。
お気軽にお問い合わせください。
TOKYO CONSULTING FIRM PHILIPPINE BRANCH
Unit 14B Chatham House Condominium, Rufino corner Valero Street,
Salcedo Village, Makati City, Philippines
TEL: +632-869-5806,
東京コンサルティングファーム
フィリピン国 マニラ駐在員
伊藤 澄高
※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び弊社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTOKYO CONSULTING FIRM PHILIPPINE BRANCH)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承くださいませ。