ミャンマー会社法における監査

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループミャンマー拠点の近藤 貴政です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「ミャンマー会社法における監査」についてお話していこうと思います。

 

ミャンマーについて知りたい方は…

ミャンマーに関する基礎知識が知りたい方は、こちらから▼
・ミャンマーの基礎知識
ミャンマーに関するセミナーに参加したい方は、こちらから▼
・ミャンマー関連セミナー

 


目次

監査対象企業

ミャンマー会社法(Myanmar Companies Law)により、小規模会社(small company)を除くすべての会社には、年次株主総会において、次回の株主総会までの監査担当として、監査人を任命することとされています(第279条(b)、第257(c)。

 

この「小規模会社」の要件は以下の通りです(第1条(c)の(xxxviii)):

  • 公開会社または公開会社の子会社(subsidiary)でないこと
  • 自身の子会社があればそれとの合計で、前年度の年間収益がMMK50,000,000未満であること

 

監査人の資格

監査人となるには、ミャンマー国内の公認会計士CPAの資格を有していることに加えて、以下のいずれにも該当しないことが必要になります:

・会社の取締役でないこと

・会社の取締役のパートナーでないこと

・公開会社または公開会社の子会社である場合、その会社の取締役と雇用関係にあること

・会社に対し負債を抱えていること

 

これにより、会社を運営する取締役とは離れた、第三者の立場で会社の運営を調査し、株主によるガバナンスを担保していくことが想定されています。

 

なお、パートナー全員がミャンマー公認会計士の資格を有していることを条件として、監査人は個人としてだけでなく、監査法人の名前でも任命を受けることができるとされています(第279条(a))。

 

 

監査人の任期と義務

上述の通り、監査対象となる会社は、年次株主総会に際して、監査人を任命することとされており、ここで任命を受けてから、未来別の監査人が任命されるまでが、監査人の任期と理解することができます(第146条(b)の(iii))。

 

監査人は、年次株主総会に出席し、この任期中の法人の監査、監査報告書、会計(accounts)について、株主(members)からの質問に回答する義務が生じます(第146条(b)の(iii))。

 

一方、初年度、最初の年次総会が開催されるまでの期間の監査人は、株主によらない取締役会で任命することができるとされています(第279条(f))。

 

監査人任命の手続き

ミャンマーで監査人に監査を依頼する場合、一般的にはEngagement Letterと呼ばれる一種の契約書を取り交わします。

 

このEngagement Letterには通常、監査人の側から監査の費用から業務のスコープ、責任範囲などが記載され、金額についても合意されます。

 

会社法上、監査人任命の時期は、会社が前年度の財務諸表について監査報告書を承認する年次株主総会であり、任命を受ける対象年度の財務報告書は、その時点ではまだ作成できないため、年末が近づき、監査業務費用について合意できた段階でEngagement Letterを締結する、ということがよくあります。

 

一方、ある程度ビジネスが固まった状態で、監査についても前年度と業務量が変わらないことがわかる程度になれば、前年度の財務諸表承認を行う年次株主総会開催時に合わせて、Engagement Letterを締結し、合意できたところで任命を受ける、という順番になることもあり得ます。

 

いずれにしても、ミャンマー会社法上この監査人の任命を当局に報告するのは、会社法の義務である年次報告Annual Returnを行うタイミングになります。このタイミングは、設立直後のもの(設立後2か月以内)を除き、その後は毎年設立月日から1か月以内に行う必要があるとされています(第97条(a))。

 

年次株主総会において監査人を任命し、その次の年次報告Annual Returnにこれを通知できるよう、監査人と連絡を取って不備のないように心がけることが必要です。

 

この記事に対するご質問・その他ミャンマーに関する情報へのご質問等がございましたら
お気軽にお問い合わせください。

※画像クリックでお問い合わせページへ移動します

【PR】海外最新ビジネス情報サイト「Wiki Investment」


※画像クリックでWiki Investmentページへ移動します

進出予定の国、進出している国の情報本当に分かっていますか?

進出してビジネスを成功させるためには、その国の知識や実情を理解しておくことが
必須となってきます。

しかし、情報が溢れかえっている社会ではどれが本当に信頼できる情報なのか?
重要になる要素かと私は思います。

そんな「信頼できる情報」をまとめたサイトがあれば、どれだけ楽に情報収集ができるだろう…

その思いから作成したサイトがWiki Investmentです!!

弊社東京コンサルティンググループは海外27カ国44拠点に展開しており、
その現地駐在員が最新情報を「Wiki Investment」にまとめています。

なんと!今なら、「Wiki Investment」に会員登録すると、
10万円相当のビジネス情報情報が閲覧できる有料会員を
24時間限定で無料お試しすることが可能です!


24時間無料で10万円相当のサービスを受けられるので、
このチャンスにぜひ有益な情報を0円でGETしてください。

・24時間限定無料会員へのご登録はこちら

 

経営者・幹部層の方におススメしたい【全ての経営者へ贈るTCGブログ】

※画像クリックで「TCGブログ」ページへ移動します

会社経営や部下のマネジメントをしていると、様々なお悩みって出てきませんか?

どうしたら、会社は良くなっていくんだろう・・・
・部下が育ってくれるにはどうしたらいいんだろう・・・

そういったお悩みをもつ経営層の皆様におススメしているブログがございます。
コンサルティングファームとして、これまで多くの企業様と関わり、
課題を解決してきたコンサルタント達による

経営課題や悩みについて解説したブログを無料公開しております。

もっと会社を良くしたい!、マネジメントについて学びたい!

そうお考えの皆様におススメのコンテンツとなりますので、ぜひご覧ください!

・「全ての経営者へ贈るTCGブログ」はこちらから


株式会社東京コンサルティングファーム ミャンマー拠点
近藤 貴政


※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。
該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

関連記事

ミャンマー特有のビジネス用語

ミャンマー個人所得税、納税手帳の廃止

ページ上部へ戻る