皆さん、こんにちは！
東京コンサルティンググループミャンマー拠点の近藤 貴政です！
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「ミャンマー個人所得税、納税手帳の廃止」についてお話していこうと思います。
目次
【個人所得税の納税】
ミャンマー所得税法（Income Tax Law）に基づき、ミャンマー国内で所得のあるすべての個人は、その課税所得が税率計算により納税が必要と判断される限りにおいて、毎月翌月１５日までに納税する義務が発生します。
この個人所得税の納税は税務申告に先立って行われる前払い所得税と位置付けられており、年初から年末までの所得をあらかじめ認識したうえで、年間の課税所得から算出した納税額を月割りにした金額を、納税することが求められます。
ミャンマーでは過払いになった場合に納税額の還付を求めることが原則として難しいため、納税すべき金額に足りないことがないようにするだけでなく、大幅に過剰な金額とならないよう、注意して計算・納税することが必要です。
【納税手帳】
時にグリーンブック（Green Book）と呼ばれる小型冊子の納税手帳は、ミャンマーで個人所得税を納税する場合に、各月の納税日と金額を明記し、税務署Tax Officeで納税した証明としての確認署名を受けるための手帳として利用されてきました。
これは、正式名称を「税金納付記録（အခွန်ပေးဆောင်မှုမှတ်တမ်း）」と言う手帳で、会社単位でなく、個人単位で記録を残す仕組みで運営されていました。
この納税手帳を見せ、個人として納税していることを示すことで、不動産や自動車など、比較的大きな資産を購入するときに、納税負担を軽くすることができる仕組みとなっています。
【電子化と手帳の廃止】
コロナウイルスの蔓延により、物理的接触を避けることが常識となった現在、ミャンマーでも各種政府機関が続々と電子化への変更を採用しており、納税に関しても税務当局IRDが全面的な電子納税をスタートさせました。
現在では、納税・申告ともに原則としてオンラインでの手続きしか認められず、支払いもMPUカード（デビットカードに近い決済サービス利用用カード）で実行するよう促されます。
この中で、納税手帳も利用されなくなり、代わりに毎回納税額をすべて記入した計納税内容記録書類を作成することになりました。
税務局Tax Officeの手続き負担を軽減し、書類に依存した体制から離脱していく方針によるとのことです。
不動産や自動車の購入に際しても、今後はこちらの納税内容記録書類を見せて手続きしていくことになります。
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株式会社東京コンサルティングファーム ミャンマー拠点
近藤 貴政
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