ミャンマーの税制改革~電子申告による税務申告

税務

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループミャンマー拠点の近藤 貴政です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「電子申告による税務申告」についてお話していこうと思います。

 

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内国歳入局(Inland Revenue Department:IRD)は、現金での納税など古い体制を残す政府機関でしたが、徐々に電子化を進めています。

今回は、期限の迫った2021年9月末の年度末決算において、電子申告による税務申告が導入された件について、解説します。

目次

確定申告のルール

ミャンマーの法人所得税、個人所得税、商業税、特別物品税、譲渡益税(キャピタル・ゲイン・タックス)等各種税金は、それぞれ四半期ごとに税務申告(Quarterly Tax Return)を行い、
年度末までの税金についても年次の確定申告(Annual Tax Return)を行います。
それぞれ、四半期税務申告は当該四半期末の翌月末まで、年次の確定申告は年度末の翌四半期末までに行うことが義務付けられていますが、
この申告作業は長い間各郡区(Township)の税務局(Tax Office)を訪れて実行するものとなっていました。
なお、税務申告の最終日が休日である場合は、翌営業日が申告期限となります。
徐々にインターネット環境も整備され、現在では多くの納税作業がオンラインでの支払いに対応する様になりましたが、
税務申告自体も内国歳入局IRDのウェブサイトで実行できるようになりつつあります。

 

今回の電子申告への変更

今回は、以下五つの税務申告がIRDのウェブサイトで実行されることになるという変更が通知されました

・特別物品税四半期申告
・商業税四半期申告
・譲渡益税確定申告
・商業税確定申告
・法人所得税確定申告

 

実際には、商業税の四半期申告等はもともと電子申告を行うことが可能でしたが、いかに詳述するいくつかの事情で多くの企業が電子申告を実行できず、
結局各郡区の税務局での紙面による税務申告を余儀なくされていました。

こちらの税務申告が、2021年12月1日以降は原則として電子申告以外受け付けられなくなる、という点が、重要な変更点として挙げられます。

ミャンマーの電子申告は、ウェブサイトからダウンロードできる税務申告用フォーム(PDFファイル/Excel File)にコンピューターのソフトウェア(Adobe PDF Reader/Microsoft Excelなど)で
情報を記入してアップロードしたり、ウェブサイト上で直接情報を入力したりして行いますが、確定する際には電子署名として、
事前に登録した代表者の電子署名(PNG/JPGなど画像データ)をアップロードすることになっています。

 

電子申告の利点

導入される電子申告の利点は、その制度の通り、オンラインでいつでもどこからでも申告が可能になる点です。

国内はもとより、日本など外国からでもインターネットで税務申告が完了できるようになります。

また、フォーマットが手書きでなく、コピー&ペーストも可能な電子書式となる点、スピーディーでエラーの少ない税務申告が期待されています。

 

電子申告の障碍

課題として挙げられるのが、電子申告を行う際に必要になる以下の登録です

・企業納税者番号(Tax Identification Number:TIN)
・商業税登録(Commercial Tax Registration)
・税務申告納税者登録(Taxpayer Registration)
・税務申告準備業者登録(Tax Preparer Registration)※外部業者を利用する場合

 

以上のうち、税務申告納税者登録と税務申告準備業者登録には、それぞれ代表者の電子署名(画像データ)が必要となります。
ここで、障害となるのが各種登録の作業がスムーズにいかない場合です。
特に、商業税の登録などは、各企業が毎年これを実行する必要があるなど、工数のかかる制度となっている点、注意が必要です。
2021年は特に、政治不安とコロナウイルスの蔓延により、政府各署が長期間営業しない等、多くの停滞が生じましたが、ミャンマーでは通常でも紙面での手続きを行う際、
税務局の動きがスムーズでない場合が多くあります。

法人登記、外国法人の支店登録などを行って間もないタイミングで商取引が生じてしまうような場合、申告期限までに登録が終わらないということも予想されるため、十分に注意が必要です。
また、当局IRDのウェブサイト自体に不備があり、電子署名が貼り付けられない、申告を完了させるボタンが存在しないなど、数々のエラーが報告されています。
こうした事情で、電子申告自体がうまくいかないことがある点、注意が必要です。

 

登録~申告の手順

手続きとしては、まず上述の通り、税務申告納税者登録と税務申告準備業者登録を各郡区の税務局で実行します。(https://www.ird.gov.mm/my/page/29598
次に、IRDのウェブサイト上で納税者アカウント(Taxpayer Account)を取得します。(https://efiling.ird.gov.mm/)※アカウント登録方法の動画もあります。
ウェブサイトのメニューから記入用フォーム(PDFファイル)をダウンロードし、これを記入して保存した後、以下の手順に従って申告を完了させます

・納税者アカウントでログインする(※準備業者がある場合は準備が完了した後)
・「File the Tax Return」をクリックし、会社情報、申告対象種類、申告対象期間を記入・選択する
・税務申告内容を記入
・必要な書類(Form 31など)をアップロード
・「Checked Return」をクリックし、「Declaration of Taxpayer」の箇所に電子署名(画像データ)をアップロード
・税務申告代表者として署名者情報・申告日を記入し「Submit」をクリック

以上、ミャンマーの税務申告がまた一歩電子申告対応になった件、お伝えしました。
税務署とのやり取り代行も行っておりますので、エラーが出たり、手続きがわかりにくいような場合は、ご連絡いただければ幸いです。

 

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