マレーシア 判例 7

労務

皆様こんにちは。Tokyo Consulting Firm Sdn. Bhd.の佐藤です。

 

<判例>

1998年、従業員Xは定年退職の年齢55歳に達し、Y社から定年を理由に、退職金に相当する金額を受領し退職した。しかし、Xは退職年齢に達したことは認めるが、Y社の都合による一方的な解雇であると訴えを起こした。

 

<従業員側の主張>

会社側の一方的な理由による不当解雇であり、この金額も納得して受領したものではないと主張

 

<会社側の主張>

最低退職年齢法上、退職年齢は55歳と定められており、今回はその法律に則って退職させただけである。

 

<判決の要旨>

確かに法律上は、55歳という明記がなされている。しかし、それは55歳になったら退職をしなければならないということを意味するのではなく、55歳以上の年齢であっても雇用関係について従業員と会社で自由に決められるのである。今回は、雇用契約書の中に、最低定年退職の年齢が記載されていないため、今回の退職は正当な理由なき解雇に該当する。よって、Y社は補償金を支払わなければならない。

 

<判決のポイント>

法律上は、あくまで年齢を定めたまでであり、それにより、その年齢に達した全ての人が退職しなければならないということが定められているわけではありません。定年については、相互の同意に基づいて決められる必要があるため、雇用契約書に明記しておくことがポイントになります。

 

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