皆様 こんにちは
インドムンバイ駐在員の谷川です。今年のムンバイは例年に比べて涼しく、むしろ肌寒くなる事が多いですね。
さて、本日もお客様から寄せられたご質問にお答えします。
Q: 現在、弊社インド法人の日本人駐在員の給与についてはインド側で生活最低限の給与を支給、日本で大部分の給与を支給しております。この日本で至急している給与額ですが、将来的にはインド法人の全額負担としたいと考えております。この場合、どのようなスキームにすれば良いでしょうか?
A:日本側での給与についても将来的にインド法人負担が全額負担する場合は、日本側が一時立て替えて払った給与についてインド法人に請求し、インド法人が清算支払いを行うことになるかと存じます。
この時、以下の2点のリスクが考えられます。
1.インド法人が本社の代わりに本社の事業を行っているとしてPE(Permanent Establishment: 恒久的施設)としてみなされる可能性
2.精算時に“Import of Services”としてGST税が課税される可能性
この2点を回避するため、「出向契約書」を適切に作成し、整備しておくのが一般的です。
内容としては主に以下のポイントを含めておくことをお勧めしております。
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i. Japanese expat and India subsidiary both have independent right to extend or
terminate employment contract without involvement of HQ in such decision.
日本人駐在員・インド法人共に本社の承認なく、雇用契約書を更新、もしくは打ち切る権利があること
ii. Salaries paid overseas by HQ is just matter of convenience for expat and such salaries is claimed reimbursements (by way of either debit note or invoice issued by HQ) without any mark up or service fees charged by HQ
本社から駐在員の日本口座に支給されている給与は単なる利便性に基づくもので、後にマークアップやサービスフィーが本社から課される事なく、インド法人より清算されること(Debit NoteやInvoiceの発行どちらでの方法でも可能)
iii. Proper and complete documentation is being prepared and maintained by both HQ and Indian subsidiary. For instance, appointment letter issued to expat by Indian subsidiary expressly mentions the amount salaries to be in Japan and Japanese salaries slip to substantiate reimbursement etc.
本社、インド法人の両方において適切な書類の整備が必要(例えば、インド法人から駐在員に対して発行するAppointment Letterには、後の清算を実証するための日本給与額と、給与明細を記載しておくのが望ましい)
iv. There is no express reporting by expat to HQ on management issues pertaining to Indian operations.
日本人駐在員から本社に、インド法人の事業に関する重要な経営判断などの報告が無いこと
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実際にこの「出向契約書」をドラフトする際は、弊社会計士・弁護士による作成・レビューが可能ですので、
ご入用の際はお問合せ頂ければと存じます。
今週は以上となります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
東京コンサルティングファーム
谷川 千裕
Tokyo Consulting Firm Private Limited
ムンバイ駐在員
谷川 千裕(たにがわ ちひろ)
TEL: +91 7678007312 / E-MAIL: tanigawa.chihiro@tokyoconsultinggroup.com
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