目標管理制度の効果的な運用方法①

労務

こんにちは。インド人事労務コンサルタントの仁井いずみです。

 

 6月も後半となり、多くの企業が昇給率を決定され今期目標に向けて動いている頃と思います。会社目標達成をインド人社員によって実現する、また目標達成度に応じて昇給率を決定することで社員からの納得感(交渉を防ぐ)という意味から、「目標管理制度」を導入している日系企業が増えていると感じます。本社の意向により導入を進める企業もあり、まずは導入することに意味があり、内容の検証は来年の課題としているケースは少なくありません。また導入して数年経つ企業は内容の精査に手間を取られることも多いかと思います。

 

 実際、目標管理制度の運用現状を確認すると以下のような共通した問題をよく目にします。

①  目標内容が明確でない

②  指標が明確でない

③  アクションプランが明確でない

④  責任分担が明確でない

 

 目標内容と指標はリンクします。定性目標であっても行動の結果は何らかの目に見える結果として現れます。例えば、内勤系は業務効率化/組織化が課題であるため、「●人で業務を回す」「残業●時間以内」「A業務、B業務のマニュアル化100%」、R&Dは新商品開発と新商品の市場への導入であるため、「新商品開発コスト●●万Rまで」「新商品占有率●%」となります。

 

 また忘れてはならない重要な点は、その目標が役職と見合うレベルなのかということです。目標設定自体が低すぎれば会社目標とリンクせず、評価にも値しません。また高すぎる目標は社員の行動を促すことができません。設定した目標が適切な内容であり指標が明確であるか、上司が確認した上で運用をスタートすることが望まれます。

 

 3番目のアクションプランが明確でない、という点も散見されます。アクションプランとは、何を/どれくらいの頻度で/どのように管理するか、が明確でないと行動の検証ができません。アクションプランとは目標達成のための具体的行動であるため、定期的レビューの際にはアクションプランの実行状況と経過目標達成度を比較することになります。また4番目は目標管理制度ではあまり明確にされませんが、インドでの運用においては非常に重要であると考えます。

責任分担とは、各アクションプランの実行責任者、最終的な業務責任者、レポート先、業務の相談相手を明確にすることで、チームとしての行動責任を持たせる意味合いがあります。

 

 以上4点のよくある問題を解決するためには、以下のステップを踏むと良いと考えます。ポイントは、Step1~Step5はマネジメントの責任であり、Step6~Step8は社員(実行責任者と担当者)の責任であるということです。Step5までは会社目標達成のための指標と目標であるため、マネジメントが社員に対して求めることを明確にする義務があり、それを実現するためのアクションプランの策定と実行、実現は社員の責任となります。求めること(Step5まで)を社員に任せる場合、会社目標とリンクしない目標を設定される恐れが生じます。

 

 Stepは次回ご紹介します。

 

仁井いずみ

 

 

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