国際税務の必要性
「国際税務」には、国際租税法や国際取引課税法といった法律があるわけではなく、二国間で行われる取引について、当該二国間で取決めた租税条約とそれぞれの国における税制を比較・検討することを総称して「国際税務」といいます。
「国際税務」が必要とされる理由は、大きくわけて次の二つです。
・国際間での二重課税の排除
・各国における課税権の確保(租税回避行為の防止)
すなわち、企業が国際取引を行い、一つの課税所得について日本と相手国の両国で課税されれば、企業の経済活動そのものにも影響を与えます。企業活動に影響がでないような配慮が必要となるため、二重課税の排除が必要になります。
その一方で、完全に自由な企業活動を認めてしまうと、企業が租税回避行為を行う可能性が出てきます。各国にしてみれば、税収の確保は国益につながるため、適正に税収を確保し、租税回避はできる限り防止しなければなりません。
企業側では、国際間での事業運営に関連する国際税務を理解し、課税リスクに備えることにより、各国の税務当局からの指摘を避け、不要な追徴課税・二重課税を防止する対策を図っていく必要があります。