インドにおける設立による影響分析 ―駐在員事務所の現地法人化・支店化の選択と留意点について―

皆さま、こんにちは。東京コンサルティングファーム、インド拠点でございます。

今回は、インドにおける新税法による影響分析ということで、

原産地規制にかかる関税規制についてお話します。

 

こちらは弊社Wiki Investmentの第5章設立にリンクしており、

現在、従来の設立に併記する形で更新中です。

 

インド(ニューデリー、チェンナイ、ムンバイ)の駐在員事務所を現地法人または支店化することを考えている企業に向ける注意点をお話します。

まずは現地法人(内国法人)と支店(外国法人)との比較をします。

―現地法人(内国法人)へ転換する場合―

 

現地法人は、会社設立許可取得時に特別条件(例えば、部品を一定量インド国内で調達する義務、生産物の一定割合を輸出する義務など)が付けされていなければ、現地資本のインド会社と同様に国内取引も含む生産・販売に関する生産・販売に関する様々な経済活動ができます。限られた経済活動しかできない支店に比べて大きなメリットがあります。

さらに、法人税が支店よりも低いというのもメリットとして挙げられます。(総収入金額により変わり、法人税25%~30%:実効税率26~34.94%です。2019年から導入された新法人制度を利用する場合は法人税15~22%:実効税率17.16~25.17%)です。一方で、デメリットとして考えられるのは現地法人の場合、外国資本の出資比率の上限が業種によって26%、49%、51%、74%、100%と規定されていること、また支店と比べて撤退することが難しいことです。

 

―支店(外国法人)へ転換する場合―

他の資本が入らないので本社の管理が行き届くこと、撤退が比較的簡単なことがメリットです。

一方デメリットは現地生産ができない、国内取引が規制されているなど活動範囲が凄く限定されていることです。

認められている活動の内容は以下の通りです。

・輸出入業務

・親会社の代理店業務

・ITサービスおよびソフト開発業務

・研究業務

・親会社またはグループ会社が供給する製品の技術支援

・インドの会社と親会社の間の技術または財務協力の推進

・外国の航空会社または船会社

製造活動は許されていませんが、インド企業からの物品購入は可能です。法人税が現地法人に比べて高くなっていることもデメリットです。(法人税40%:実効税率は課税対象所得によって違います41.6%~43.68%)。

 

また、実務的には駐在員事務所から現地法人または支店へ転換する場合は、駐在員事務所を閉めることは簡単ではありません。その為、現地法人または支店を設立してもしばらくは駐在員事務所をどちらも建てておくケースが多いです。

 

―現地法人設立の注意点―

現地法人を設立する時、業種によって制度上出資比率の上限が規定されているので、合弁事業としなくてはならない場合は細心の注意が必要です。注意点としては以下の通りです。

・パートナーの選定が一番重要な課題です。パートナーはもちろん一定の財務基盤をもっていることが必要ですが、会社の規模だけで判断することはやめたほうがいいです。インド企業は日本と比べてオーナー経営的色彩が濃い傾向にあるので、長期的な観点から経営者の資質・人柄も重視することが必要です。

・インドは契約会社ですので、合弁相手との契約条件には十分な注意をすることが重要です。その為、現地の優秀な弁護士の選定が重要です。弁護士はBarrister(法廷弁護士)とSolicitor(事務弁護士)に分かれています。

違いとしては、法廷弁護士は法定で意見を述べることができて事務弁護士は意見を言えないという点です。一般的には、法廷弁護士が交渉能力を持っています。しかし、細かいサービスは事務弁護士の方が向いているので両者を使い分けることも良いでしょう。

・最近急速に自由化が進んでいますが、まだ官僚主導が濃く残っています。SIA:Secretariat for Industrial Assistance(インド商工省産業認可事業局)が合弁会社に対して発行する認可状は、両当事者間の契約の一部と判断っされますので注意が必要です。

・会社法では少数株主を保護するため、広範囲な事項がSpecial Resolution(特別決議)の対象となっています。

つまり、MOA: Memorandum of Association(増資、資本構成再編、基本やっかん)・AOA: Article of Association(附属定款)の変更、新規事業の開始、社名変更、融資提供、他社への信用・保証の供与、会社の解散等です。

メジャー出資の場合は4分の3以上の出資比率で経営権を確保、マイナー出資の場合は4分の1以上の出資比率で特別決議事項に対して拒否権を確保することが基本的な出資の考え方です。

 

インド政府は外国人投資の自由化を進めていて、自動承認業種による100%出資可能な業種も増加していますので業種ごとの最近の情報を入手できます。

 

次回からは、インドにおけるサービス業での進出についてお話します。

 

そして引き続きwithコロナ・afterコロナの視点から、

将来のリスクも見据えた各種レターのドラフトやレターのレビューを行っております。

 

就業規則の無料レビューや、賃貸契約書・仕入先との契約書、顧客とのサービスコントラクトといった

各種契約書の作成や見直しのサポートにも力を入れております。

 

少しでも、ご懸念点などがございましたら、

お気軽にお問い合わせください。

(2021年8月10日現在)

 

より詳しい内容については、以下、wiki Investmentよりご覧いただけます!

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