皆さま、こんにちは。バンガロール支店マネージャーの坂本です。
2018年4月27日、インド準備銀行(RBI)によると、海外からの外貨建借入(ECB)の規制緩和が発表されています。
主な変更点をまとめさせていただきましたので、ご参考にしていただけますと幸いです。
<負債資本倍率(liability-equity ratio)の引き上げ>
日系企業を含む外国企業がインド現地法人に対しECBに該当する貸付けを行う場合、貸付人の持株比率や借入人における負債資本倍率(liability-equity ratio)等によって、自動ルートで行うことができる貸付けか承認ルートで行う必要がある貸付けかに分類されます。
自動ルートにより貸付けを行う為には一定の要件があり、500万USD以下のECBの場合、非居住者がインド現地法人の株式の25%を直接保有することが必要とされ、500万USD超のECBの場合、更に、ECBの金額が非居住者の出資額の4倍を超えないことが条件とされていました。今回の変更により、500万USD超のECBに対して、非居住者の出資額の7倍まで借入金の上限が引き上げられました。ただし、500万USD以下のECBについては、従来のルールが継続されます。
<借入人資格の拡大>
ECBの借入人資格についても、以前は認められていなかった以下の対象者についても、ECB借入人資格対象に含まれます。
・National Housing Bankの統制下である住宅金融会社
・1962年主要港湾信託法(Major Port Trust Act,1963)における港湾信託(Port Trusts)
・メンテナンス、修理、解体、運送業者(インドルピー建て借入に限る)
<ECBに係るコスト上限の統一>
金利等についても、ECBガイドラインの中で規定したルールに従う必要があり、コストの算定には、金利の他、外貨建てで課される費用も含まれます。
従来のルールにおいては、ECBについて平均貸付期間に応じ異なるコストの上限が定められていました。本改正によると、平均貸付期間に関わらず、標準金利によるコストの上限が一律とされています。新しい標準金利は以下ご覧ください。
・一律6カ月LIBOR+450bpが上限
(従来は、平均貸付期間が3年以上5年以下のECBの場合、6カ月LIBOR+350bpが上限、平均貸付期間が5年超の場合、6カ月LIBOR+500bpが上限)
<ネガティブリストの導入>
本改正により、ECBにより調達した借入金の資金使途について、ネガティブリストが導入されました。
具体的なネガティブリストは、以下のとおりとなります。
《ECBによる借入れにおけるネガティブリスト》
全てのECBに該当する貸付において、以下使用目的におけるECBの利用は認められませんので、注意が必要です。
・不動産投資、土地の購入目的(一部、適用除外あり)
・長期金融市場への投資目的
・株式投資目的
更に、平均貸付期間が5年以下のECBについては、以下のネガティブリストも適用されます。
・運転資本を含む一般支出目的
・ルピー建て借入金の返済目的
今後も変更がありましたら、都度お知らせさせていただきます。
今週は、以上です。
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バンガロール支店マネージャー
坂本 佳代(さかもと かよ)
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